世界一貧しい大陸、アフリカは変わるか?

当たり前のことを、当たり前にする難しさ

明日はきっと今日よりもよくなる、と思わせる大陸

途上国開発というのは、複雑なプロセスです。政治、マクロ経済、教育、医療・保健、ビジネス、民族、文化、腐敗、戦争と平和――などなど無数の要素が複雑に絡み合っています。そんな中、大きく物事を進める効率的な解はなく、ひとりがやれることは限られています(まあ、そんな「解」があるのなら、アフリカは今頃とっくに豊かになっていることでしょう)。

1歩進んだら2歩下がるようなことも多く、正直、「世界なんてそんなに変わらない」と思います。でも、時々、雲の切れ間から青空が見えるように、少し何かが前に進むことがある。そんなあきらめと希望の狭間で、僕らのような経済開発・貧困削減にかかわる人々の旅は続いていきます。

そんな中、日本人としてできることはなんでしょうか? 僕は、やり抜くこと、逃げないこと、だと思います。忍耐と、緻密な計算と、相手を思いやる心情を持って、成功でも失敗でも、実際にやり抜いてみせること。やってみせたら、言葉が通じなくても、いつしか人々に頼りにされていきます。

壁をぶったたきたいくらい腹のたつことも多いアフリカ。国々は相変わらず貧しく、課題は山積みです。でも、僕はこの大陸の未来は明るいと信じます。ここに住むと、多くの人々は「明日はきっと今日よりもよくなる」と思っていると感じるのです。

アフリカは生命力にあふれています。人々は、厳しい気候や経済の中でも笑顔で前向きに生きて、家族や一族で助け合い、豊かな伝統文化をつむぎ、すばらしい音楽を楽しんでいます。大変なことは多いけれど、一方で、明日はきっと今日よりもよくなる、と思わせる何かがあります。その希望こそが、アフリカの現在の姿なのです。

セネガル北部の村で活動する青年海外協力隊員。彼ら・彼女たちも、アフリカに希望を生み出すのに貢献している

この連載を読んで、アフリカに興味を持たれた方は、ぜひアフリカを旅してくださることを願います。サファリの動物だけを見るのではなく、そこに住む人々に出会ってください。百聞は一見に如かず。僕が書いた記事の100倍も1000倍も、いろいろなことを感じられるはずです。貧困の厳しさに触れてぞっとすることもあるでしょう。でも、その中に、きっと、「明日はきっと今日よりもよくなる」という希望も感じていただけるはずです。

ご愛読、ありがとうございました。最後に、これを読んでくださっている皆様に大きな声でお伝えしたい。ナイロビは、今日も快晴です!

注記: 本稿は、執筆者個人の意見であり、世界銀行グループの公式見解を示すものではありません。

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