中国電気バス大手「BYD」が日ハムと組んだわけ ファイターズ新球場の輸送に、自動運転化も

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EVメーカーとしてのBYDは、アメリカのテスラに比べると日本では馴染みが薄い。1995年にバッテリーメーカーとして創業し、リチウム電池製造で世界3位、携帯向けでは1位のシェアを持つ。

自動車事業には2003年に西安秦川自動車を買収して参入し、2008年に世界初の量産型プラグインハイブリッドカー「F3DM」を発売。2016年にはEVで世界販売台数1位になった。EVバスは現在、50カ国300都市ですでに6万台が販売されていて、世界トップシェアとなっている。

日本市場向けは、主力の「K9」が2015年に京都急行バス(現プリンセスラインバス)に5台納入されたのを皮切りに、沖縄シップスエージェンシーや岩手県交通などで採用されている。BYDのEVバスは、2015年の日本上陸から6年ですでに日本国内の77%のシェアを獲得している。

EVバスを災害対策に活用

2021年1月に納車を開始する「K8」は、77人~81人乗りの都市型、75人乗りの郊外型から選べる。BYDは日本国内で2025年までに2000台の販売を目指している。

BYDのEVバスは尾瀬国立公園内のシャトルバスにも使われている(写真:BYD)

BYD製のEVバスは2020年3月までに日本国内で累計54台が導入され、2021年には累計販売台数で100台に達する見通しだという。

ビーワイディージャパンの花田晋作副社長は、「EVバスは公共交通の手段でもあるが、停電対策の大型蓄電システムにもなる。(送電網につながっていない)オフグリッドの機能へのニーズは、災害大国の日本で広がっていくと思う」と話す。

日本のEVバスは、ディーゼル車を改造したものが主流で、価格も1億円程度と高い。これに対し、K8のカタログ価格は3850万円。2000万円台前半とされるディーゼル車両に比べ高価だが、「販売価格は個別の交渉でもっと安くなるし、自治体の補助金もある。競争力は十分にある」(花田副社長)という。

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