外食不況とは無縁! 独り勝ちの回転ずし

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 この環境が、回転ずしにとって追い風となった。以前は高くて手が出せなかったネタが調達できるようになったのだ。「1皿100円で提供できる目安はキロ当たり2000円前後」(中堅すしネタ業者)。たとえば築地市場で取引されるミナミマグロは、3割安の1800円程度まで下落した。イクラも3割安の3500円程度となり、軍艦巻きでキュウリと一緒に少量盛れば100円でも利益が出るようになった。

「安定的かつ大量に仕入れてくれるのは回転ずしくらい。店舗拡大もあり、調達力は格段に上昇している」(前出のすしネタ業者)。すでにカッパ・クリエイトはそれまで魚介類の取扱量で首位だったセブン&アイ・ホールディングスを抜き、バイイングパワーを強めている。

マグロやサーモン 今後は価格上昇か

 とはいえ回転ずしチェーンすべてが好調なわけではない。老舗の「元禄寿司」や「元気寿司」では100~200円台の価格帯を設けているが、売り上げ低迷に苦しむ。「価格政策を含め、スピード感が足りなかった」(元気寿司の須藤恭成取締役)と100円業態へ参入を進める。だが、スケールメリットを生かした食材調達力を誇る大手3社と肩を並べて戦うのは容易でない。

そして魚価安の恩恵を受けるチェーンも安泰でなくなってきた。「長期的には世界的な需要が高まることで、魚価は上がるだろう」(あきんどスシローの豊崎賢一社長)。

現に、カタールで開催されたワシントン条約締約国会議で大西洋クロマグロ禁輸案が決定すると、回転ずしで使用するメバチマグロやキハダマグロも高騰するおそれがある。その他のネタでも在庫調整が一巡しつつあり、価格は上昇傾向にある。

回転ずしの原価率は5割弱と、牛丼やファストフードと比べ格段に高い。原価上昇に転じたとき、1皿100円をどう守り抜くのか。次の成長戦略が問われることになる。
 
(二階堂遼馬 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年3月27日号)

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