NHKにメッタ刺しされた「レオパレス」の恨み節 番組めぐり再三NHKに謝罪を求めていた
「番組の作り方があまりにも不公正で一方的、しかも杜撰だったのです。確かにサブリースの業界には、これまで問題がなかったわけではないし、レオパレス21が世間を騒がせたのも事実。しかし、番組はサブリースの大手各社の事例を取材しているのに、社名が番組内で連呼されたのはレオパレス21だけ。それ以外の大手は番組の終わりにアンケートに答える形で一瞬、テロップが流れたのみ。普通に番組を見ている一般視聴者からすれば、サブリースの諸悪の根源は全てレオパレス21だと受け取りかねません」
ここでサブリース業界が抱える構造的な課題を簡単に説明すれば、30年の家賃保証という謳い文句と、実際のギャップである。アパートを新築した後、10年も経過すれば、多くの場合、物件は不人気となり、オーナーがサブリース業者から家賃の減額を要求されるのは珍しくない。
一方、オーナーは家賃が変わらないことを前提にして、建築費用の銀行ローンを組んでいるため、返済計画に無理が生じ、最悪、破綻してしまうこともあり得るのだ。
レオパレスとは無関係な人が出ていた
問題の番組でもこのパターンの被害者が何人も登場した。レオパレスのオーナーが続ける。
「具体的には、銀行ローンが払えなくなってしまったアパートオーナーや、過去にだますような営業をしてしまったと後悔する元営業マンが番組の中で取材に応じていました。実は、いずれの方もレオパレス21とは無関係の方であることがわかっています。
しかし、番組内で社名を明らかにしなかったために、何度も名前が連呼されたレオパレス21の悪印象が強く残ってしまった。世間を騒がせているレオパレス21ならば、名前を出しても支障はないだろう、抗議はしてこないだろうとタカをくくっているとしか思えませんでした」
ほかにもレオパレス側が腹に据えかねる場面が複数ある。例えば番組冒頭のシーン。
三重県津市の畑の中にあるレオパレス21のアパート群が映し出され、<ここは通称レオパレス銀座。10年ほど前は田畑だった1キロ四方の場所に賃貸住宅大手レオパレス21のアパートが40棟近く建っています>というナレーションが入る。
しかし、実際のところレオパレスのアパート群を撮影するカメラの背後、100メートルも離れていない場所には、大東建託が建設したアパートが何棟も軒を連ねている。このことは現場まで足を運ばなくても、パソコンのストリートビューで簡単に確認ができる。
なかば”狙い撃ち”されたと感じたレオパレスは、NHKに書面などを通じて少なくとも2度にわたり抗議を行った。これに対してNHKは制作主幹名での回答書を出し、こう述べている。ちなみに制作主幹とは制作局長に次ぐポジションだ。
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