不動産を知り尽くす男たちが語る「ウラのウラ」 「仲介手数料半額」にただ喜んではいけない
グリップ君:ここ数年のことですが、新築マンションがどんどんしょぼくなっているのが気になっています。今は3LDKで60㎡台半ばが主流になっていますが、ちょっと前なら75㎡が当たり前でした。
夏原:確かに、新築マンションを見ても買う気がしない。バブル期に作られたマンションは立派ですもんね。
グリップ君:私の感覚では、築10年くらいの中古マンションがお勧めです。その頃は、リーマン・ショック直後で土地も建築費も安かったので、いいものが作れた。今はダメですね。
夏原:コロナで都心のマンションを売り払って郊外に引っ越す人が増えていると報道されていましたね。
グリップ君:それは一部だけです。むしろテレワークもできるように仕事部屋がほしいとか新しいニーズが出て、緊急事態が終わった夏場以降も大都市圏のマンション販売は活況だったようです。
夏原:世間で言われていることと、実際の現場とでは差がありますね。
不動産業界の地道な努力も知ってほしい
グリップ君:全宅ツイには、デベロッパー、オフィスや賃貸・売買の仲介、個人投資家から金融ファンド、大工さんもいます。一口に不動産屋といっても、業務内容がまったく異なるんです。自分の専門領域以外はよくわかりません。だから、その道のプロフェッショナルとの情報交換が必要なんです。
夏原:それだけ専門性が必要な世界ということですね。昔は新橋とか歌舞伎町の喫茶店で話していたのが、今はTwitterに変わったんですね。
グリップ君:そうなんです。それなのに、最近は「ITの力でクソみたいな業界を変える! 不動産テックだ!」とか、不動産のことをよく知らない若者に言われて――あれ、傷つきます。
夏原:まずは、某不動産会社に入社して渋谷駅で看板持って「家を持ちませんか?」から始めてほしいね(笑)。
グリップ君:何某不動産でチラシを1万枚ポスティングでもいいです(笑)。『正直不動産』でも、もっと不動産業界の地道な努力を取り上げてください。
夏原:うーん、それだけでは漫画にならんなあ(笑)。でも、個人消費者はもちろん、心ある不動産業者にも支持される漫画を引き続き目指していきたいですね。
(取材・文/小野悠史、撮影/黒石あみ)
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