不動産を知り尽くす男たちが語る「ウラのウラ」 「仲介手数料半額」にただ喜んではいけない

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グリップ君(GRIP-KUN)/不動産関連の仕事に従事する専門家集団でTwitterを中心に
活動している「全宅ツイ(全国宅地建物取引ツイッタラー協会)」の公式キャラクター。中の人は、かつて不動産開発会社で物件仕入れを担当していた

グリップ君:全宅ツイの中でも、売れない若手の話は悲惨です。物件売るために撒くチラシの紙代が自己負担で給与から天引きされて、今月の手取り3000円だった、とか(笑)。

夏原:ひどい(笑)。だけど、そういう人も契約を取って、歩合給をドカッともらったら派手に飲んじゃうんでしょう? 少しは貯金しろよと思うけど、欲望に忠実なところは面白い。

グリップ君:そんな働き方が楽しいという側面はあるんでしょうね。先祖は狩猟民族だったのかな。今はツーブロックゴリラと呼ばれていますけど(笑)。

夏原:貯め込まずに使うんだから、景気よくするためにも不動産業者に儲けてもらいたいですね。IT業界だと金持っても、使わない人が多いから(笑)。

グリップ君:不動産業界は厳しい世界ですから、辞めちゃう若手も多い。楽して稼げる世界ではないということを一般の人にも知ってほしいです。

手数料は「いい物件」へのパスポート

夏原:賃貸仲介なんかだと、何部屋紹介しても契約できなければ、お金はもらえないわけでしょう。それで、いざ契約となっても「仲介手数料は家賃半月分しか払わない」とか言われることもある。やってられないですよね。

グリップ君:『正直不動産』でも取り上げられていましたね。現実には、手数料を半額しか払ってもらえないなら、1カ月分ちゃんと払ってくれる人に先にいい物件を紹介しちゃいますよ。いい部屋を探したいのか、手数料を値切りたいのか、どちらが目的なのかをよく考えないと本末転倒になります。

夏原:手数料ゼロ円でやっている仲介店もありますからね。

グリップ君:仲介手数料ゼロ円の会社は、大家側から余分に手数料をもらっているわけです。じゃあ、大家が余分に手数料を払わないと入居者が来ない部屋って? と考えれば、わかりますよね。手数料は、いい物件へのパスポートなんです。

夏原:法律知識として知っておくことと、案内させた揚げ句にごねるのは違う。これが横行したら、業者は除菌スプレーを売るしかなくなっちゃう(笑)。

グリップ君:実はプロ同士の市場では、「いつもお世話になっているので、手数料をもっと払わせてください」ということもあるんですよね。

夏原:賃貸でも売買でも、仲介手数料の上限を撤廃して、仲介業者にサービスで競わせればいいんですけどね。

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