紅白で「香水」は歌えない問題が一件落着のワケ NHKの「本音と建前」
ではなぜ、問題なしなのかといえば、NHKのガイドラインに、こうあるからだ。
NHKの本音と建前
「企業名や営業上の商品名・サービス名・ロゴマークなどを放送できるのは番組編集上必要で広告目的ではない場合である」
つまり、本人に「広告」するつもりがなく、番組に必要ならOKというわけだ。これはなかなか便利な考え方である。おかげで前出の「真紅なポルシェ」も『紅白』ではそのまま歌われた。
そもそも、NHKはかつて、民放のドラマ主題歌やCMソングすら放送期間中は歌われるのをいやがり、かわりにB面曲を歌わせたりした。が、ヒット曲の大半がそういったタイアップものになるにつれ、大幅に譲歩。時代の流れには勝てないのだ。
勝てないといえば『紅白』が史上初めて裏番組に瞬間視聴率で負けたのは2003年のこと。相手はTBSの曙vsボブ・サップ戦だった。ところが翌年、応援ゲストのギター侍こと波田陽区がこれをネタにしてしまう。
「紅組が勝とうが白組が勝とうが興味ありませんから! 残念!! そのとき、格闘技の結果に夢中、斬り!」
と、皮肉ったのだ。しかも、これは裏番組を「広告」することでもあった。この暴挙に、彼が『紅白』に呼ばれることは2度とないと思われたが、なんのことはない、4年後にはまた応援に戻ってくる。おバカ&一発屋ブームで売れた『ヘキサゴンオールスターズ』の一員としてだ。
要は、NHKにとって、広告云々は建前にすぎない。売れているモノは出したいというのが、本音なのだ。
『香水』もまたしかり。NHKだって、長いものには巻かれたいのである。
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