【産業天気図・コンビニエンスストア】競争激化と加盟店支援が重荷。国内外ともに店舗を増やせるかどうかで格差拡大

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予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

コンビニ業界は2010年4月から11年3月まで、終始「曇り」となりそうだ。前10年2月期はタスポ効果一巡に景気悪化、夏場の天候不順などが重なり、業界各社は軒並み営業減益に陥った。

続く今期も既存店の前年割れが懸念され、商品廃棄に伴う加盟店支援費などもかさむ。厳しい環境の中、積極出店と調達改善等のコスト構造改善に踏み込めるかどうか、業界内の優勝劣敗が鮮明になりそうだ。

国内コンビニ業界に頭打ち感が出てきているなか、10年度は国内においては店舗数を増やせるチェーンとそうでないチェーンとの差、また成長中の海外展開における差がはっきり出ることになりそうだ。

最大手のセブン−イレブン・ジャパン(セブン&アイ・ホールディングス<3382>)は10年度も店舗純増300~400を見込む。ローソン<2651>は生鮮コンビニ九九プラス<3338>が貢献、ファミリーマート<8028>は国内は買収したam/pmの店舗が加わり、海外でも積極的な出店を継続する。

一方で中下位チェーンの中には、自力での成長余力に乏しくシステム投資などの負担が重くなっていることから、業界再編が引き続き起こる可能性がある。海外は上位3チェーンに加えミニストップ<9946>の動向が注目だ。

既存サービスでの集客力に陰りがある中、店頭での新たな取り組みがあるかも中期業績に向けた焦点だ。セブン−イレブンでは一部店舗で住民票の写しなどの行政サービスを開始したほか、チケット最大手のぴあ<4337>に続きタワーレコードに出資するなど、エンターテインメント分野への取り組みが目立つ。

対するローソンではチケット事業子会社ローソンエンターメディア<2416>の幹部役員による資金不正流用で最大被害総額150億円という前代未聞の不祥事が発覚した。コンサートのチケット発券はコンビニにおいて集客増につながる重要な商材となっているだけに、今後の影響がどう出るかが注目される。
(高橋 志津子)

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