Zoomはなぜ強い?10分で学ぶ「差別化」の極意

早稲田MBAで教えている経営戦略の基礎

3つ目は、「③ネットワーク外部性を構築する」です。これは、同じ製品・サービスを使う顧客の数が増えれば増えるほど、「その製品・サービスから得られる価値が増加する現象」です。

例えば、ビデオ会議でZoomを使う人が多ければ、ますますZoom以外のビデオ会議は使われなくなります。

新規顧客は価値の大きいほう、すなわち既存顧客数が多いほうのネットワークに雪だるま式に加入していくのです。これにより後発企業は、構造的に追いつくのが困難になります。

顧客が増えれば増えるほど価値が増加する(KADOKAWA提供)

乗り換えるにはコストがかかる

最後は、「④スイッチング・コストを高くする」です。

顧客がいったんある企業の製品・サービスを使って慣れてしまうと、他社の製品・サービスに乗り換えるには、時間、手間なども含めたコストがかかります。

そのため、「他社の製品・サービスのほうが多少よくても乗り換えないという状態」です。

例えば、PCの操作でウィンドウズに慣れてしまうと、「マックは操作コマンドが異なるため使えない」と顧客が考える場合が当てはまります。

いったん慣れると、乗り換えられなくなる(KADOKAWA提供)

以上の4つが、参入障壁や模倣困難性を築く代表的な打ち手です。共通点は「先行者が有利である」ということです。これを「先行者利益」といいます。また、いったん差がつくと、構造的に差を埋められません。そのため、自社に有利な状況に早くもち込むことが重要です。すなわち、「スピードが大切」なのです。

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