環境対応で利益減ると思う人が知らない打開策

カギは「モジュール化」「ゴミのアップサイクル」

「大量資源消費、大量廃棄」をやめることと「規模拡大」は両立可能です(写真:sogane/PIXTA)
サステナビリティ経営を追求しようとすると必ず「コストがかかる」「短期的に儲からない」「十分には儲からない」という壁に直面します。多くの企業は、何かを得るためには何かが犠牲になる、それは仕方がないこと、という「トレードオフ思考」にとらわれていますが、環境・社会の課題解決も企業の成長・利益伸張もともに達成する「トレードオン」に成功している企業もあります。トレードオンを実現するための方策を解説します。
※本稿は坂野俊哉氏と磯貝友紀氏の共著『SXの時代~究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営』から一部抜粋・再構成したものです。
前回:「やらされSDGs」多い日本企業に欠けた重大視点
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多くの経営者が思考停止に陥ってしまう

従来は「莫大なエネルギーや資源を投入して大量生産し、効率性とスケールメリットを追求する」ことが、ビジネスの成功要因の一つだった。そして、いまだに多くの企業が次のような考えを持っている。

生産途中や最終製品からも廃棄物は生まれるが、大量に売れれば生産途中の廃棄物など気にならない。どんどんつくるほうが、生産途中に廃棄が生まれないように配慮するよりも経済上合理的だ。また、最終製品も、商品の長寿命化や再利用の道を考えてつくるより、ユーザーが製品を早く捨てて、新しいものを買ってくれたほうが、企業の売り上げは伸びる。

原材料は、世界で最も価格が安い供給地から調達するのが利益確保のためにとにかく大事で、「なぜ安いのか?」「現地労働者が不当に扱われていないか?」などと余計なことは考えない。原材料の産地から工場までの輸送で生じるCO2や、大量生産で生じるたくさんの廃棄物や汚水、最終製品が廃棄される際のゴミは、誰かが処理してくれる「外部不経済」として放置してきた──。

こうした企業でも、「利益さえ出れば環境を汚してもかまわない」とまでは思っていないだろう。法律や業界ルールを遵守するのはもちろん、真っ当な経営者であれば、法律の規制がなくても、環境汚染の防止などを企業の問題として受け止め、何らかの対策をとるべきだと思うはずだ。しかし、外部不経済をどこまで内部化する必要があるのか、という話になると、多くの経営者が途端に思考停止状態に陥ってしまう。

生産工程で生じる廃棄物を減らし、製品の長寿命化を図り、ユーザーが廃棄した製品をリサイクル・再利用したほうが環境にやさしく、再生可能エネルギーの活用でCO2の排出量を減らすべきだと頭ではよくわかっている。自社だけではなく、原材料・部品供給などのサプライチェーン全体の外部不経済までカウントしてそれを内部化したら、莫大なコストになる。それでどうやって事業をすればいいのか……。

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