Zoomはなぜ強い?10分で学ぶ「差別化」の極意

早稲田MBAで教えている経営戦略の基礎

自社を分析したうえで、模倣や参入を「構造的に困難にする」代表的な打ち手を4つ紹介します。

まずは、「①規模・範囲の経済性を確立する」です。これは、事業の規模が大きく、範囲が広くなると、「経済性が向上する現象」です。

例えば、製造業では、生産量が多くなると製品1個当たりのコストが下がる、または多くの種類の製品をつくると製品1種類当たりのコストが下がる場合があります。

規模・範囲の経済性が効く代表的な理由は「固定費」です。固定費は、生産量や生産種類の多少にかかわらず一定です。そのため単位コストが下がります。

したがって、先行企業が先に規模・範囲の経済性を確立すると、小規模で狭い範囲で事業を行っている企業が追いつけない状況をつくることができます。

生産量が多くなるとコストは下がる(KADOKAWA提供)

累積生産数が2倍で生産コストが下がる

同じことを繰り返し経験すると、その作業が習熟していきます。慣れるということですね。すると、コスト、スピード、不良率などのパフォーマンスがどんどん改善されていきます。

この現象が2つ目の打ち手、「②累積経験を積む」です。もともとは製造業の話で、累積生産数が2倍になると生産コストが一定割合で下がることが経験的に知られていました。

その後、製造業以外や生産コスト以外でも同様の現象が観察され、コンセプトが一般化しました。

これにより、累積経験がない企業は「累積経験を積んだ先行企業に追いつけない」という構造ができあがったのです。

作業が習熟するとパフォーマンスが改善(KADOKAWA提供)
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