ユニクロ進化論 松下久美著
いまや小売業界の新盟主といっても過言ではないファーストリテイリング。同社の主力業態「ユニクロ」は国民ブランドとなり、その進化には業界関係者はもとより、欧米ビジネススクールも注目するほどだ。
関連本も多い。だがその大半は新聞報道などを頼りに手堅くまとめあげたものだ。そこへいくと、本書は約11年間同社を担当しているファッション誌のジャーナリストによる「本物のユニクロ論」。スポーツ専門店に就職、百貨店で販売系の経験もある筆者だけに、問題意識は鋭い。本書を読めば同社の柳井正会長兼社長が思わずホンネを語ったことがいかに多いかがわかる。筆者が日頃から店舗のフィールドワークや担当者への丹念な取材を欠かさないからこそできる賜物だ。
商品・ブランド戦略から組織論までを網羅するが、本書ならなぜ百貨店が没落し、ファストファッションが台頭しているのかも理解できる。最新の流通論としても手に取りたい好著だ。
ビジネス社 1575円
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