代替医療のトリック S・シン、E・エルンスト著/青木薫訳

代替医療のトリック S・シン、E・エルンスト著/青木薫訳

通常医療(西洋医学)以外の治療法である代替医療は理学的証明が困難という限界がある。そこで著者たちは代替医療が本当に有効なのか、プラシーボ(偽薬)を駆使しつつ綿密な調査を試みる。

対象は鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法だが、統計処理と多くの聞き取りによる評価は「効果はないに等しい」だった。ごく限られた効果は認めるにせよ、多額の医療費を伴う代替医療の横行に著者は否定的だ。ほかに32の代替医療が2ページずつ解説されている。

主張を裏付ける多彩なエピソードは説得的だし、先入観を排しひたすら科学的に調査したおかげで真実に迫れたのだ、とする正攻法の議論に疑問を呈するのは勇気がいる。しかし「科学的」統計だけで説明がつかない側面が病には多々あるのではないか。

東洋医学や食事療法、温熱療法、気、笑いの効用など奥が深い医の世界を「トリック」で終わらせてはいかにももったいない。(純)

新潮社 2520円

  

関連記事
トピックボードAD
  • インフレが日本を救う
  • 最新の週刊東洋経済
  • iPhoneの裏技
  • グローバルアイ
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
採用クライシス<br>就活ルール廃止の衝撃

経団連が就活ルール作りからの撤退を決定。採用日程は今後どうなるのか。中長期的なあり方を議論する間もなく、足元では超売り手市場の下、仁義なき新卒争奪戦が繰り広げられている。採用手法も人気業界も激変する中での各社の取り組みは……。