コロナで爆増「マウンティングおじさん」の実態 一方でリストラ対象やDX対応に悩む人たちも

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さらに打撃が大きいのは新型コロナウイルス感染症の影響である。コロナ禍において業績が悪化した企業は容赦ない。

「洋服の青山」を展開する青山商事は400人の希望退職を募った。レンズ製造大手のタムロンが募った希望退職の規模は200人。従業員を3分の1にまで削減すると発表した近畿日本ツーリストも広く希望退職を募集する。

年齢にも注目したい。青山商事は「40歳以上」、タムロンは「45歳以上」、近畿日本ツーリストはなんと「35歳以上」が対象だ。

高給取りで、十分な付加価値を生み出せていない、いわゆる「働かないおじさん」が対象であれば、まだ衝撃は少ないだろう。

しかし実態は違う。まだまだ組織に貢献している「働いているおじさん」も、今のご時世リストラ対象なのだ。「定年までは、とても面倒を見られない。まだ40代なら転職も可能だろう。だったら今のうちにセカンドキャリアを見つけてほしい」といった会社側の親心も絡んでいる。

「おじさん」たちにはキツい?DX対応

多少「考えが古い」「昭和的だ」と言われようとも、それなりに組織に貢献してきた。そう自負している「働いているおじさん」たちは、当然リストラとは無縁だと受け止めてきただろう。

しかし、上場企業でこれだけ大規模なリストラが行われれば、その余波は中小企業に押し寄せる。大企業の中間管理職が転職してくれば、いきなり幹部クラスに重用されるかもしれない。

このように、業種、業界、企業規模の大小は関係がない。「働かない」「働いている」も関係がない。世の中の「おじさん」たちは、どんどん追い込まれているのだ。

とりわけキツイのがDX(デジタルトランスフォーメーション)対応だ。DXはいまや新聞やネットニュースにおいて最頻出用語の1つとなった。

感度を上げて、真っ先に対応しなければならないのが「おじさん」であるのに、実態は、最も反応が鈍い。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、業務プロセス、組織のあり方、人の行動を変容させることを指す。もちろん「IT化」のことをDXとは呼ばない。

したがって、自分の意識や行動を変容(トランスフォーメーション)させることが求められる。これがなかなか難しい。社歴が長ければ長いほど、そして過去の成功体験があればあるほど現状維持バイアスがかかる。

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