3人に1人が悩む「頭痛」慢性と病気の見分け方 さまざまな原因があり生命に関わる場合も

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症状の度合いは人それぞれで、抗不安薬や抗うつ薬などを医療機関で処方してもらわなければならない人がいる一方で、市販の頭痛薬の服用や、リフレッシュすることで対処している人も多い。

坂井文彦/医師。埼玉精神神経センター・埼玉国際頭痛センター長(写真:AERA dot.)

これに対して片頭痛は、寝込んでしまうほどで、吐き気や嘔吐などの症状も伴う、QOLが極めて悪い頭痛だ。緊張型頭痛の3分の1程度の患者数だが、頭痛で医療機関を受診する人の8割は片頭痛だと言われる。女性に多く、20~40代で発症することが多い。

群発頭痛は、緊張型頭痛、片頭痛に比べると患者数が少ない。片頭痛の10分の1程度だ。

年に1~2回程度、1~2カ月持続する頭痛で、1日に2~8回の発作を伴う。発作は、夜間、睡眠時に起こりやすく、目の奥をえぐられるような激しい痛みがある。痛む側の目の充血やまぶたの腫れ、鼻水などの症状もある。発症のきっかけは飲酒による。男性に多く発症し、20~40代に群発期が頻発する。

群発頭痛には通常の鎮痛薬はほとんど効かない。原因と思われる三叉神経や局所自律神経の異常興奮に対して作用するトリプタン系の薬や在宅酸素吸入を医療機関で処方してもらう必要がある。症状がひどい場合には、副腎皮質ホルモンの内服や後頭神経ブロック療法といった治療が必要な場合もある。

市販の頭痛薬に頼りっきりにならないこと

ひどい頭痛もちの人は、痛みが起こっている場合はもちろん、痛みが起こるのではとつねに不安に思い、ついつい薬を飲みすぎている人もいる。その結果、薬物乱用頭痛という状態になってしまうことも多々あるという。

「そのようなケースでは、薬の服用を抑えて、医師のアドバイスを受けるなどして、頭痛についての正しい情報を入手するべきです。そして、頭痛を正しく理解し、安易な自己療法に頼らないことが大事なのです。そのためにも長く続く頭痛の場合には、市販の頭痛薬に頼りっきりになるのではなく、内科や神経内科、そして最近増えている頭痛専門外来、頭痛専門クリニックなどを受診してください」

頭痛に対する医療機関の受診については、日本頭痛学会のホームページを見て、頭痛専門医が在籍する医療機関をチェックしてほしい。

(文・伊波達也)

【取材協力】
埼玉精神神経センター・埼玉国際頭痛センター長 坂井文彦医師
AERA dot.
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