(第7回)リファイナンスという「打ち出の小槌」の発明

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住宅ローンの借り換えで自動車を購入した

前回、次のように述べた。アメリカで2002~06年の5年間の家計の借り入れ増は5兆2149億ドル、うちモーゲッジローンは4兆5126億ドル、消費者ローン5233億ドルであった。他方、この間の住宅投資は3兆3046億ドル、耐久財消費は5兆3070億ドルであった。モーゲッジローンの借り入れ増が住宅投資より多くなっている理由は不明と述べた。しかし、差額はキャッシュアウト借り換えを通じて耐久消費財の消費に充てられた可能性がある。

下表において、モーゲッジローン増と住宅投資の差をE欄に、これと消費者ローンとの合計額をF欄に示す。Fの数字はD欄に示す耐久消費財支出のほぼ3分の1程度の額になっている。したがって住宅投資のすべてと耐久財の3分の1が借り入れで賄われたと考えることができる。

また、自動車関係の支出を見ると、表の下半分に示すとおりだが、06年まで、これはFの数字とほぼ同規模だ。したがって自動車がモーゲッジローンと消費者ローンの借り入れで賄われたと考えることができる。

ところでグリーンスパンらは、次のような推計を行っている。ホームエクイティローンやキャッシュアウト借り換えによって、04年には3500億ドル、05年の第1四半期で3000億ドル(年率換算値)、そして06年上半期だけで5111億ドル(年率換算値)の資金が引き出された。1999年から06年までの期間で、2・62兆ドルの資金が引き出された。

他方、表のF欄の数字を見ると、04年には3636億ドルであり、グリーンスパン推計とほぼ一致している。グリーンスパン推計では06年の計数がかなり大きくなっているが、これは第1四半期の年率換算であるためだ。表には示していないが、モーゲッジローン借入額は、06年第1四半期でピークになり、第2四半期以降は減少に転じたのである。

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