セガサミー「赤字のゲーセン」撤退後に残る不安

パチスロ・パチンコ低迷、カジノも暗雲漂う

そのGENDAは施設運営の拡大意欲を強く示しており、「今の人員を最大限生かして引き継ぎ、投資してくれるパートナーに譲るのが一番いい。片岡さんと組んだ方が(SE社のビジネスは)うまくいく」(里見社長)と話が進んだ。セガサミーHDは今後、SE社の14.9%を保有する株主として、セガサミーHDで製造・販売しているゲームセンター向け機器を卸し、セガの屋号もGENDA社に貸与する協力関係を続ける。

多様な事業を抱えるセガサミーHDにとって、ゲームセンター運営事業は旧セガが1965年から営み、「もともと軒先に機械を置いておカネを稼ぐということを創業の頃にやっていたという意味で、(歴史的な意味を持つ)基幹事業」(里見社長)。

SE社は全国193店のゲームセンターを運営し、事業規模はイオンファンタジー、バンダイナムコに次いで業界3位。2020年3月期の売上高は406億円と、セガサミー全体の売上高の11%を占める。

パチンコ・パチスロは低迷基調に

ただ、セガサミーHDのROAは3.0%(2020年3月期)と決して高くない。2020年3月期末の資産規模で311億円のゲームセンター運営を切り離せば、「(グループ全体の)資産効率が上がる」(セガサミーのIR)と期待を寄せる。

セガサミーHDの看板パチスロシリーズ「北斗の拳」(記者撮影)

SE社売却の損益面でのプラス効果は早速現れ始めている。11月に公表したセガサミーHDの2021年3月期の業績予想は、売上高2830億円、営業損失15億円(8月5日発表の前回予想は同2770億円、150億円)へ上方修正された。赤字のゲームセンター運営から撤退したほか、新型コロナで市場規模が拡大したゲームソフト・アプリ事業の業績が上ぶれした。

12月25日までに650人の希望退職を募り、100億円の特別損失を計上するが、2022年3月期は100億円の利益押し上げ要因となる。2021年3月期中にゲームセンター向け機器事業の開発人員を最低100人程度、好調なゲームソフト・アプリ事業に異動させる計画も進めており、反転攻勢の準備は整いつつある。

気がかりなのは、利益柱であるパチスロ・パチンコ機の販売が低迷していることだ。同事業は2020年3月期にグループ全体における営業利益の84%を稼いだ。2021年3月期の販売予想はパチスロが3万8300台(2020年3月期は12万3336台)、パチンコが8万9200台(同10万4581台)と前期を大きく下回る見込みで、同事業は「2004年のグループ化後に初めての営業赤字になる」(広報)と予想している。

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