九州の高校生が台湾のデジタル大臣と白熱議論 唐鳳氏にぶつけた「デジタル社会で生きること」
――デジタル機器に触れる機会が増え、手書きによる学習や人と直接会話する機会が減ることで集中力、コミュニケーションなどの能力が低下すると言われていますが、私たちの人間らしさや能力はどのように守られていくと思いますか(長崎西高校)
したがって、字を書くかタイピングするかは、大事なポイントではありません。大事なことは、お互いに集中力を持って接することができているかどうかです。集中力を相手に向けるためには、ビデオチャットであっても対面の会話であっても、私は集中力を邪魔するものを遮断します。
例えば、携帯電話の音が突然鳴らないようにすべて切っています。私は30分ごとに一度だけ、5分間を、SNSを見るために使っていますが、仕事をしている25分の間、携帯が急に鳴り出すということは絶対にありません。こうすることで、集中力を継続できます。
人と向き合う時間を増やすのがデジタル
――世界には貧困や環境問題など解決すべき重要な課題がありますが、オードリーさんはこれらの問題に対してITやデジタル世界がどのように関わっていけると思いますか(鶴丸高校)
そこにITがあれば、それらの作業を自動化できます。これらの作業を機械に任せられれば、彼らは「工具人」(道具として扱われる便利な人のこと)のように、例えばタイピングをするだけではなく、人にかける時間をより多く確保することができます。これがITの一つ目の部分です。
デジタルで大事な部分というのは、世界の人たちをつなぐことができる、ということです。例えば同じような問題を解決しようとしている人が「ほかにもいるのだ」という事実に気づいていないことがあります。そのときにデジタルの方法を用いて「#SDGs」などといったハッシュタグをつけることにより、お互いに知り合うことができるのです。デジタルはコミュニケーションツールとして作用し、さらにはストーリーを語ることができる作業なのです。
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