人生の目的を明確にできたら迷わずススメ!
大学卒業後レスリーは創業間もないインテル社に、5人しかいない英国人のひとりとして入社していた。ベンチャーの雰囲気に満ちていた当時の状況を最大限に利用して(レスリーの場合はあくまで結果論としてだが)、さまざまな職種を経験した後、驚くなかれ、インテルが大企業になる前にさっさと辞めている。
やりたいことを見つけそれを人生の目的にできたからこそ、会社のネームバリューに惑わされず、迷いながらも軽やかに自らのキャリアを進む決心ができたのだ。感情の赴くまま場当たり的に職業を選んでいたように見えた若い日々のすべてが、ジェンガという揺るぎない1点に集約されたとき、彼女の世界は一気に広がっていった。
今や世界で5400万個売れるゲームになったジェンガだが、軌道に乗るまでは試行錯誤の時代があった。そんな中でもレスリーは、「私の仕事はゲームデザイナー」と言い続けることでビジネスチャンスをものにしてきた。
アーウィン・トイ社との偶然の出会いもジェンガにとって重要だった。なんといっても、「JENGA」の文字を一つひとつのブリックに刻むアイデアを出してきた会社なのだから。
仕事への目的が明確なレスリーだからこそ、偶然を必然にすることができたのだろう。シンプルさを魅力と信じ、迷わず突き進み続けた3年後、ジェンガは世界へ爆発的に広がることになる。
ゲーム界の1等賞。女性としても、デザイナーとしても
「ジェンガ」は、そのシンプルな魅力ゆえに、時代時代の中でレスリーも予測しなかったような使われ方をされてきている。最近では、核施設で危険物質を扱うためのアームロボットの操作訓練などがそのひとつだ。
時代とともにどんなアプローチをされても、「ジェンガ」のオリジナルの輝きが失われないことをレスリーは誰よりも知っている。だから、いろいろな人たちが「ジェンガ」の使い道を発見していく状況についても、面白がって見ていられる。
ジェンガが世界的なゲームになったことで、これまでレスリーは2つの大きな賞を受賞している。ひとつ目は、玩具業界のパイオニアである女性に贈られるWoman in Toys賞。もうひとつは玩具業界のアカデミー賞といわれるToy & Game Inventor Awardだ。
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