ARM版サーフェスも第3世代を準備中 米本社マーケティング部門責任者に戦略を聞く

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これがSurface Pro3

6月2日、マイクロソフトは新タブレット端末「Surface Pro3」を日本でも発表した。発表時のメッセージは、米国と同じものだ。すなわち、タブレットを使っている消費者の大多数がノートPCも併用している点に着目し、Pro3をノートPCとしても使いやすいタブレット端末として仕上げた。

12インチの広視野角・高精細なディスプレイを採用。9.5ミリの薄さと800グラム以下という重量を実現しながら、9時間以上のバッテリ駆動時間を実現。第4世代インテルCore i7プロセッサも採用し、ハイパフォーマンスが求められる用途から、ペンインターフェイスを活用したメモ取り用途などタブレットらしい軽快さが求められる使い方まで、幅広く対応できる製品となっている。

異なるのは、日本でバンドルされるOfficeのライセンス。コンシューマ向けにはOffice Home and Business 2013をプリインストール。さらにメタモジのNOTE Anywhereに一部有償機能を加えたNOTE Anywhere for Surfaceもバンドルされる。価格はコンシューマ向けのエントリモデルが9万1200円、企業向けは10万800円から。最上位モデルはインテルCore i7採用、8ギガバイトメモリと512ギガバイトフラッシュストレージを搭載して、税込み20万2800円だ。ただし、いずれも1万2980円のTypeCover(キーボード機能付き液晶カバー)が別売りとなっている。ノートPC代わりに使う場合、カバーは必須のため、購入を検討する場合、この価格も含めて検討する必要がある。

iPadなどと比較すれば高価だが、フル機能のOfficeがバンドルされた第4世代インテルCoreプロセッサ搭載機という視点で価格を見ると妥当な価格設定とも言える。日本での発売日は7月17日、コンシューマ版は明日0時より予約受付が開始される。

マイクロソフトはこの新製品で何を目指すのか。来日した米本社ジェネラルマネージャーでSurfaceのマーケティング部門を統括するブライアン・ホール氏に話を聞いた。

これひとつで十分、という端末にした

――Surfaceシリーズはこれで3世代目となるが、初めてのフルモデルチェンジだ。これまでのSurfaceは、それぞれがWindows搭載コンピュータの新たな用途開拓という役割を担ってきたが、今回のPro3のメッセージは?

Pro3はタブレットでありながら、ノートPCのように使っても快適なように、画面サイズやキーボードを改良した。そうした意味では、Pro2とPro3は全く違う製品だ。しかし、これまでPro2を買ってくれていた顧客は、どうしてPro2を選んでいたかと言えば、やはりタブレットでありながら、ノートPCとしても使える製品だから。そうした意味で、ふたつは同じカテゴリの製品だ。

ただPro3に盛り込んだ新たな要素によって、製品コンセプトがより明快になったとは言える。Surface Pro3は、ノートPCをも置き換えられる存在になるよう工夫を施して設計したタブレット端末。しかし、一方でOneNoteと連動する軽快なペン入力機能を備え、軽量でバッテリーも長持ちするすぐれたタブレット端末でもある。

これひとつあれば十分、という製品にするため、機能や性能を磨き上げた。中身は高性能なパソコンに匹敵するものであり、一般的に使われているタブレット端末よりも高価。しかし、それだけの実力を備えている。

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