人気YouTuber襲う「粘着ストーカー」の迷惑実態 ゆゆうた、水溜りボンド、ヒカルも被害者に

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2020年10月には、ヒカルも同様の偽アカウントを作成されている。偽アカウントは、フォローとリツイートをした人に「現金10万円を配る」「iPhone12をプレゼントする」などと不審な投稿を繰り返していた。ヒカルは過去にも何度も偽アカウントに悩まされてきたが、このとき犯人はメキシコのサッカー選手アマンダ・ペレスさんのアカウントを乗っ取り改変していたため、認証バッジがついていたのだ。

誹謗中傷被害も多いため、YouTuber事務所も対策を始めている。2020年7月、UUUMは、同社専属クリエーターを守るための「誹謗中傷および攻撃的投稿対策専門チーム」を設置。弁護士や警察などの専門機関との連携を強化し、悪質な権利侵害、プライバシー侵害、殺害予告などへの対応を強化。SNSの規約違反に当たる投稿や、弁護士が法的に根拠付けできると判断した投稿に対してSNSへの削除依頼を行うとしている。

なぜ「犯罪被害」に遭いやすい?

なぜYouTuberはこれほどさまざまな被害に遭っているのだろうか。顔を出し注目される存在のため、賞賛も集められるが同時に非難・批判も浴びることになるのは芸能人も同様だ。

しかし芸能人と違うのは、芸能人より圧倒的にファンに近い存在であることだ。身近な存在であるゆえに、接触に対する心理的抵抗が少なくなってしまっているのだ。YouTubeやその他SNSで直接やり取りができることも大きく影響しているだろう。

また、そもそも動画は情報が多く、個人情報の特定につながりやすいことも影響している。自宅につながる情報はほとんど出ていない芸能人に対して、YouTuberの動画は自宅などが映り込んでいることも多く、特定しやすい。YouTuberの中には、鈴木ゆゆうたのように自宅その他の個人情報を隠さず公開してしまっている人もいる状態だ。

どんな投稿でも、すべての人に好意的に受け取られるわけではない。非難・批判を受けることはあり、このような被害を受けるリスクをゼロにすることは残念ながら難しいだろう。YouTuberに憧れる人は多いが、注目度が高まることでリスクの多い仕事となりつつあるのが現状だ。

誹謗中傷1つとっても、2021年の通常国会への関連法の改正案提出により匿名アカウントの情報開示が迅速になることになっている。匿名でも他人にこのような行動に出ることで、確実に罪に問われることは忘れてはならないだろう。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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