日本人を追い詰める「逃げる=悪」という考え方 執着を流して「心をリセットする」方法

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『心のザワザワがなくなる 比べない習慣』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

フォロワーの数や「いいね!」の数は、自分の存在価値を示すものではありません。あくまで「仮想の自分」に対する評価であって、本当のあなた自身に対する評価ではないのです。何かをしていてつらいと感じるなら、その原因になっているものを見極めて、切り離す勇気も必要です。

私たちが普段使う「諦める」にはなんとなくマイナスのイメージがありますが、仏教での「諦(たい)」とは、「真理」や「悟り」を意味します。物事の真理を知り、明らかにするという意味です。

なぜ自分の思うとおりにならないのか物事を明らかにして、原因がわかったら、何事も度の過ぎない「諦」の心境を持つ。物事の道理が明らかになれば、納得して断念することもできるでしょう。

日々を穏やかに生きる仏教の智慧

仏教において「諦」はネガティブな意味合いではなく、物事の真理を悟り、明らかにすることとして使われます 。

お釈迦さまは、四諦(したい=4つの真理)を説かれました。

第1の真理は、生きることは迷うことで苦であるということ
第2の真理は、その苦は飽くことなき欲望から生ずるということ
第3の真理は、その欲望の滅した境涯が苦のない悟りであるということ
第4の真理は、悟りを得るために正しい8つの道をとるべきということ

ちなみに、正しい8つの道とは、正見・正思・正語・正業・正念・正定・正命・正精進のことです。

これらを行うことで、人間世界の苦悩や煩悩から脱し、悟りの境地に至るとされています。ぜひこうした観点も知り、気持ちをラクにしていただけたらと思います。 

玉置 妙憂 看護師・僧侶・二児の母
たまおき みょうゆう / Tamaoki Myoyu

東京都中野区生まれ。専修大学法学部を卒業後、法律事務所で働き始める。長男が重度のアレルギー症状を持っていたことをきっかけに、「息子専属の看護師になろう」と決意。国立病院機構東京病院の看護学校で学び、看護師として病院で働き始める。その後、カメラマンだった夫のがんが再発。最愛の夫を“自然死”で看取ることになるが、その死にざまの美しさから開眼。出家を宣言し、高野山真言宗にて修行を積み、僧侶となる。現在は現役の看護師として勤めるかたわら、非営利一般社団法人「大慈学苑」を設立。

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