現行「ノート」をNo.1にしたe-Powerの偉業 衝撃の新型が登場した今、現行ノートを総括

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e-Power最大の利点は、アクセルのオンオフで加減速ができること(写真:日産自動車)

アクセルとブレーキのペダル踏み替えには、一般的に0.7秒の時間がかかるといわれているが、実際には1秒前後かかる可能性がある。この1秒という時間は、時速20kmといった徐行でも1秒間に5.5m以上クルマが前進してしまうことを意味し、万一の緊急事態ではけっして短くない距離だ。

エンジン車であれば、そのままの速度でこの5.5mを走ってしまいがちになるが、モーター走行であれば、アクセルペダルから足を離した瞬間に回生が働き、強い減速がかかるので、たった5.5mとはいえその間にブレーキペダルを踏まなくても速度をある程度落すことができる。

人間の心理においても、危険に接しアッと思った瞬間アクセルペダルから足を離しても、そのままスッと5.5m進んでしまうより、グッと減速度を感じれば、心を落ち着かせてブレーキペダルを的確に踏む心のゆとりが生まれるのではないだろうか。

HVやEVは、環境負荷の低減に役立つことで普及が求められているが、HVのなかでもモーターですべての走行を賄うシリーズ式ハイブリッドであれば、安全にも幅広く対処できる可能性を広げるのである。

トヨタと日産で異なるハイブリッドシステム

トヨタのHV開発者に聞くと、シリーズ・パラレル式ハイブリッドのトヨタ車も、ワンペダル操作の機能を持たせることは可能だと語る。しかし、採用はされていない。つまり、EVを市販しないトヨタは、単なる環境対策だけではないモーター走行の潜在能力に気付いていないといえる。

そもそも、このワンペダル操作は、ペダル踏み替えという操作を1つ減らすことであり、それは日々の運転を楽にすることにつながる。楽に運転できれば疲れにくくなり、運転中に注意力を落とさずに済む。

何事もなく日々快適に、疲れも少なく、事故の懸念を減らしてくれるのが、モーター走行であり、日産ノートから採用がはじまったHVのe-Powerには、以上のような恩恵がある。

キックスは、ノートに対して最大出力を約20%向上させ、さらに静粛性を高めたe-Powerを搭載(写真:日産自動車)

e-Powerは、ノートのあと、ミニバンのセレナに採用され、セレナも5ナンバー格ミニバンで販売1位になった。続いて、今年新たに発売となったSUV(スポーツ多目的車)のキックスは、ついにe-Power専用小型SUVとして登場した。そしてキックスでは、発電のためのエンジン始動をできるだけ少なくする制御の改良が行われ、より静粛で、EVに近い走行感覚が得られるようになった。

現行ノートの存在は、当初は期待したほどでもなかったかもしれないが、日産待望のHVとなるe-Powerを追加したことにより、e-Powerを採用する他の日産車とともに、日産の販売を力づける大きな原動力となったのである。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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