販売低迷の真実、トヨタ「アクア」発売1年通信簿 上級車種のような上質さのアピールが課題か?
トヨタが販売している5ナンバーのハイブリッド専用車「アクア」が昨年2021年7月にフルモデルチェンジをして2代目となった。
新型アクアは、トヨタとして初のバイポーラ型ニッケル水素バッテリーを採用し、日産「ノート」などと同様、シリーズ式ハイブリッド車(HV)のようにモーターだけによるEV走行領域を時速40km近くまで実現したことが新しい。加えて、電気自動車(EV)のようなアクセルのワンペダル操作もできるようにしている。ただし、当初の日産e-POWERのような停止までワンペダルで行うことはできない。また、日産も最新のEVやHVでは、停止までできない制御にしている。
新型アクアは、外観の質も大きく向上し、上級車種に思える趣を備えた。発売間もない昨年に試乗した折、駐車場で前型のアクアと並ぶ機会があった。前型アクアがよい意味で身近な大衆車的外観であるのに比べ、新型アクアは造形のみならず外板や塗装の作り込みも格段に向上していることに気づかされた。
発売から1年が経過した現在の販売状況
発売から1年が経過し、アクアの販売状況を見ると、自動車販売協会連合会の乗用車ブランド通称名別順位によれば、発売された7月に直前の6月の20位から一気に5位まで順位をあげ、8月には3位となって9400台以上を売った。9月には2位となって1万1000台を超えている。10~11月は7000台超えで、12月は9000台だ。
年が明けて2022年に入っても多少の上下はあるが、好調は続き、昨年度(2021年4月~2022年3月)の合計販売台数は、2021年4~6月までの前型も含みながら8万4700台以上を売って5位につけている。
ただ、4月以降はやや低調気味で今年1~6月の上期の合計は約3万4000台で8位である。販売の数字は、1~2位の「ヤリス」や「カローラ」に比べると半分以下だ。しかし、ヤリスとカローラの台数には、「ヤリス クロス」や「カローラ クロス」といったSUVも含まれるので、単一のハッチバック車としては健闘しているとみていいのではないか。それでも他社の競合といえる日産ノート(4位)やホンダ「フリード」(6位)が、新型アクアより上位にいるのは気になるところかもしれない。
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