中国のEC(電子商取引)大手の京東集団(JDドットコム)が、貨物専門の航空会社の立ち上げ準備を進めている。11月16日、傘下の物流会社の京東物流が航空貨物関連の専門人材の募集をすでに開始したことが、財新記者の取材で明らかになった。
京東物流が掲示した採用情報によれば、同社は貨物機の新規導入、飛行訓練、機材管理、メンテナンスなどの職種で30人以上を募集した。ところが、この採用情報はしばらく後にひっそり削除された。その理由について京東物流はコメントを避けた。
財新記者の取材に応じた京東物流の関係者によれば、自前の貨物航空会社を設立する計画はずっと以前からあったという。社内にはすでに航空部が設置され、立ち上げの事前準備にあたっている。
江蘇省南通市に航空物流センター建設
京東集団には現時点では自社所有の貨物機がなく、既存の貨物航空会社との提携によるチャーター便や貨物室のスペース買い取りなどの方法で航空貨物事業を手がけている。
そんななか、2019年9月に江蘇省南通市で「京東貨運航空」の設立登記が行われ、法定代表人には京東物流CEO(経営最高責任者)の王振輝氏が就いた。さらに今年5月、南通空港の運営会社である南通空港集団が京東貨運航空の株式の25%を取得した。
ただ、京東貨運航空は中国民用航空局(訳注:中国の民間航空行政を所管する政府機関)に対してまだ運航許可を申請しておらず、実際の運航開始はしばらく先になりそうだ。
当局の規定によれば、新設の航空会社が運航許可を取得するには少なくとも3機以上の航空機、拠点として使用する空港、規定が定めた専門技術者などを確保しなければならない。
いずれにしても、近い将来には南通空港が京東集団の航空物流のハブになる。同社は2018年12月、南通市政府との戦略提携に調印。総額200億元(約3166億円)を投じて大規模な航空物流センターの建設を進めており、2021年6月から本格稼働させる計画だ。
(財新記者:黄栄)
※原文の配信は11月16日
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