米銀大手シティグループ、「黒字体質」への転換は本物か


 09年のシティの営業収入、純利益、預金のいずれをとっても、全体の46%はBRICsを中心とする新興国ビジネスが占めている。特に、新興国都市部の「マス富裕層(mass affluent)」を中心ターゲットに据える。ビジネスエリートなど比較的リッチな個人顧客の囲い込みに意欲を燃やしている。

 同CEOは「シティが2年前から根本的に違う会社になった」という根拠として、主要3事業の成長、顧客フォーカス戦略の徹底、新興国での比類なき実績、堅固な資本基盤を挙げ、黒字体質への復帰に向け、格好の態勢にあると強調した。

しかしだ。

パンディット氏は具体的にいつ黒字体質に戻るかは明らかにしなかった。今年の第1四半期からなのか、年後半からなのか、来年からなのかは定かではない。

今年1~3月期から黒字定着? なお不透明な回復時期

確かに、最近のシティの決算に改善の跡は見て取れる。与信費用は昨年前半で山を越した形となっており、赤字は縮小傾向にある(グラフ参照)。シティHDの資産も大幅に圧縮しており、健全化は順調に進んでいるように見える。


(注)09年2Qの純利益はスミスバーニー株売却益(税引き後67億ドル)を除く。09年4Qの純利益はTARP(公的資金)返済費用を除く。与信費用は、不良資産の直接償却と貸倒引当金積み増しの合計。
(出所)シティグループ公表資料

ただ、そうは言っても処分・撤退すべきシティHDの資産は依然として5470億ドル(約50兆円)あり、いちばんリスキーと思われるSAPの資産も1540億ドル(約14兆円)残っている。この額は、決して少ないとは言えない。

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