浸かるだけで体をキレイに「夢のお風呂」の値打 こすって肌を傷めずとも小さな泡が汚れ落とす
青山: 汚れがどのように落ちるか実感してもらうには、「データよりも体感する以外方法はない」という結論に至りました。
装置をつけたベビーバスくらいの大きさの浴槽を持参し、「だまされたと思って5分間、ここに片手を入れてください」と言って、片手を入れてもらいます。その間に原理を説明し、5分後に手を出して拭き取ってもらい、反対側の手と見比べてもらいます。手がつるつる、しっとりとしているのを実際に体感してもらうのです。
自分で体感したことはうそがないので、疑いが強ければ強いほど反動も大きく、真剣に聞こうという姿勢を持ってもらえるようになりました。
今は住宅メーカーやマンションデベロッパーなどが供給する住宅に標準で採用されているケースがあります。分譲販売する場合は必ずモデルルーム、モデルハウスで浴槽を設置しています。
そこで、極端な話、「当社の住宅にはバスルームはありません」ぐらいのことまで言ってもらっています。お客さんは「えっ? お風呂ないの?」って驚かれるのですが、「ゴシゴシ洗う洗い場はございません。私どもの住宅はエステルームをご用意させていただきました」って言うんです。
それでモデルルームやモデルハウスに備え付けた体感機を試してもらいます。皆さんびっくりされて、それだけで住宅の購入を決めてしまうお客さんもいらっしゃるほどです。極端な言い方をすると、自分たちのショールームがたくさんできたようなものです。
「このマンション(住宅)に住めば、あの装置の付いたお風呂でリラックスができてきれいになれる」ということを知って訪れるお客さんが、この10年でかなり増えました。当社の製品を扱っている、年間2000戸マンションを分譲している大手ハウスメーカーは、13年で数万個にも上る当社の商品を導入してくれています。
ファインバブルの未知の可能性
狩野:「ファインバブル」はほかにどのような分野で活躍が期待されていますか。
青山:当社ではありませんが例えば、高速道路のサービスエリアのトイレ洗浄に、ウルトラファインバブル水が使われています。昔は臭かったサービスエリアのトイレですが、ウルトラファインバブル水を使ったトイレではほとんど臭いを感じません。
また、業務用のマヨネーズのメーカーがファインバブルを封入して作ったところ、通常は酸味が立つのに、まろやかな味になりました。洗濯機にも業界初のウルトラファインバブル機能洗濯機が開発されるなど、いろんな分野で出てきています。
われわれは唯一のファインバブル専業メーカーといっているので、民生品だけではなく、医療、農業、水産、工業用洗浄など、ありとあらゆる分野に進出していきたいと考えています。