内装で目につくのは、従来の7インチから10インチに拡大されたダッシュボードの大型ディスプレイだろう。近年は、地図表示といったカーナビゲーション機能のみならず、外界の情報検索、車庫入れの後退時に周囲の安全を確認するため設けられたカメラの画像を映し出すなど、ディスプレイに多機能製が求められる。視認性の良さや扱いやすいタッチパネルが当たり前になり、大画面が必須になっている。また、大型ディスプレイは先進的な印象も与えることから多くのメーカーが取り入れている。それにオデッセイも対応した形だ。
室内の実用面で、ダッシュボードの助手席側に設けられた小物入れや座席の撥水・撥油機能の追加により、汚れを落としやすくするなどの改良が施されている。5ナンバー格のミニバンほどではないにしても、子供を同乗させるシーンを想定した3列ミニバンとしての機能性向上だ。
同様に荷物などで両手が塞がった状況で側面のスライドドアや後方のゲートを開閉する際に、手の動きや足を蹴り上げる動作などで操作できる機能が設けられた。特にスライドドアは、キーを所持して近づくとLEDランプが点灯し、それに合わせて手のひらを横へ動かすと、その方向へドアが開いたり閉じたりする。他社では、後方のゲートと同様に足の動きで開閉させる方式があるが、光の案内に合わせた手の動きで開閉するのは初めてだろう。今回のマイナーチェンジでオデッセイとして初採用となった、足を蹴り上げる動作で車体後方のゲート開閉を行う方式は、他社のSUVなども含めて採用例が多い。
動力はエンジンとハイブリッドの2種類
動力は、ガソリンエンジンと、2つのモーターをガソリンエンジンに組み合わせた「e:HEV(イーエイチイーブイ)」と呼ぶハイブリッドの2種類。ガソリンエンジンには、CVT(ベルト式無段変速機)が組み合わされる。
ハイブリッド車のe:HEVは、新しい名称だが、技術としては以前からある「i-MMD(インテリジェントマルチモードドライブ)」と呼ばれる2モーターハイブリッドシステムと同様の方式だ。ホンダは、これまで3つのハイブリッド方式を使い分けてきた。だが、小型車向けに開発された1モーター方式「i-DCD(インテリジェントデュアルクラッチドライブ)」がリコール問題を経て不採用となり、2モーター方式のi-MMDに統合されたことから名称変更となったのだろう。
このハイブリッドシステムは、2つのモーターを搭載しているが、1つは発電用で、もう1つが走行用となり、3つの走行モードを使い分ける。
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