安易に投資に手を出す人が大やけどを負う必然 100万円が1年で138万円になる外債投資の本質
そして、逆に言えばアルゼンチンは、1年借りただけで38%という、闇金並みの利息を払ってでもお金を借りなければいけないということですから、相当お金に困っている状態であると考えられます。当然、投資家は「アイツら、事によったらまたやらかしよるで?」と思うので、どんどん国債を買う人が減るわけです。誰も買わないからさらに金利を上げてでも国債を買ってもらわなければならない。こうなるともう悪循環です。
リスクが高いものはリターンが多い
つまり、誰でも買えて、リスクが低くて、いつでも引き出せるものはリターンが少ないのです。逆に、誰が見ても潰れる、というものには誰も投資しませんので、リスクが高いものはリターンが多い傾向にあります。リターンを多くしないとリスクを引き受ける人がいないからです。ただし、一歩間違えば紙くずです。
当たり前だろうと思われるかもしれませんが、投資を「単にお金を増やすための手段」としてしか考えていない人には、こうとしか言えないんですよね。投資対象をただの記号としてしか見ていないと、値が下がったから買おう、上がったから売ろう、みたいな世界観しかなくなってくる。ふと欲を出して利回りがよさそうな物件を買うと、地雷を踏んで爆死エンド、ということになりがちです。
どの投資信託がいい、みたいなものも、われわれ素人のところに「いいらしいよ」という話が落ちてくる時点でもう専門家が対応し尽くしています。
ウォール街で語り継がれる有名な逸話がありまして、投資家として大儲けしていたジョセフ・P・ケネディという人(アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの父)が、靴磨きの少年から「◯◯社の株を買うといいよ」と言われたそうです。
ケネディ氏は「こんな子どもまで株の話をするようになったら、もうこれ以上株を買う人はいない、暴落する」と確信し、手持ちの株をすべて売り払ったところ、そのしばらく後に大恐慌がやってきたそうです。
素人の付け焼き刃の知識なんて、靴磨きの少年と大して変わりません。それぐらいの雑な解像度で、なんとなく玄人の土俵に上がると、瞬殺されておしまいということになります。
儲けようとすれば必ずそこには欲が出ます。欲を出せば、変な物件をつかんで失敗します。また、別に儲けなくてもいいから、とりあえずお金が減らないでくれればいいというのであれば、タンスに現金を入れておくか、財形貯蓄でもやっていればよろしい。それがいちばん間違いありません。
もう一度、投資というものの根本に立ち返って考えてみましょうよ。本来、投資とはいったいどういうものなのか。それを踏まえないで、「通帳のお金が増えるといいなあ」ぐらいのマインドで投資に手を出してチャートの上がり下がりを眺めてみたところで、素人のあなたが歴戦の投資家やプロの金融マン、大企業が巨費を投じたAIなどとまともに勝負できるわけがないのです。
あなたが投資のプロやAIに負けない方法。それは、「投資のプロやAIが知らないことで、あなたが知っていること」です。その部分の知識を使って勝負するのです。ということで、次回は「素人でもプロやAIより詳しい分野で勝負する」ということについてご説明します。
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