韓国「ダウムカカオ」はネイバーに勝てるか

世界で相次ぐメッセンジャーアプリの再編

合併を発表するダウムのチェ・セフン代表(左)とカカオのイ・ソクウ代表(撮影:Penta Press/アフロ)

韓国IT業界で「打倒ネイバー」を狙うタッグが誕生する。

5月26日、韓国2位のポータルサイト「ダウム」を運営するダウムコミュニケーションと韓国1位のモバイルメッセンジャーアプリ「カカオトーク」を運営するカカオが合併を発表した。8月の株式総会での承認を経て、10月1日に新会社「ダウムカカオ」を設立し、年内にすべての合併手続きを終えるという。

2013年度のダウムの売上高は5309億ウォン(約530億円)、営業利益は819億ウォン(約81億円)。カカオはそれぞれ2108億ウォン(約210億円)、659億ウォン(約65億円)。株式はダウム株1株にカカオ株1.55株が割り当てられ、非上場のカカオが実質的にダウムを買収する形で、上場を果たすことになる。

似たもの同士の合併

韓国国内では、ポータルサイトではネイバーが君臨。検索サービスの韓国国内シェアは7割に達する。同社は世界4億2000万人のユーザーを抱えるメッセンジャーアプリ「LINE(ライン)」の親会社でもある。

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2012年、カカオの日本法人にヤフーが50%出資。写真は当時の新サービス発表会。左からカカオジャパンの朴且鎮社長、タレントの土屋アンナさん、ヤフーの村上臣CMO(撮影:尾形文繁)

一方、カカオは韓国でこそ9割超のシェアを持つものの、海外展開ではLINEの後塵を拝する。たとえば、日本では2012年にヤフーがカカオの日本法人に出資し、共同でサービスを運営しているが、ユーザー数は1000万人超とLINEの5分の1だ。また、ダウムも韓国で「万年2位」と揶揄され、ユーザー数は伸び悩んでいる。

今回の経営統合によって、韓国最強ポータルと世界有数のメッセンジャーアプリを持つネイバーグループに立ち向かう準備を整える。

26日にソウルで行われた記者会見で、ダウム、カカオの両代表は、「合併する最大の理由は、両社の長所を生かせる最良の方法だからだ」と口をそろえた。ダウムコミュニケーションのチェ・セフン代表は、「両社の組織文化は非常に似ている。クリエイティブでコミュニケーションを重視する水平的な働き方も非常に似ている」と語った。

独自に上場の計画を立てていたカカオのイ・ソクウ代表は、すでに韓国株式市場(KOSDAQ)に上場しているダウムと合併することについて、「国内市場で上場するには多くの時間と努力が必要。急変が続く市場で来年半ばに予定していた株式上場を待つよりは、ダウムと合併して早くシナジー効果を出すのが正しいと考えた」と述べた。

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