警察を動かした「電動バイク」メーカーの秘策 ペダル付き電動バイクを自転車として走らせる
その理由として、特例の認可に当たって警察庁は「走行中にモーターを容易に使えない構造であること」「走行中にその自転車モードであることが外観上わかること」「乗車しながら切り替えられない構造になっていること」の3つの要件をクリアすることを条件とした。
逆に言えば、ペダル機構を備えたうえでこの要件を満たせば、他モデルでも認められる可能性はあるということになる。
また、自転車として使うべき状況下で、そのまま電動バイクとして使われてしまうのではないか、という懸念もある。この件について鳴海社長は「それは故意による違反運転となるもので、現状の原付を運転したのと同じこと。その部分はメーカー責任ではなくユーザーの倫理観になる」との見解を示した。
この日、記者会見で披露された新機構は、仕上がりも少々武骨な印象。そこでこのまま商品化するのかと質問すると、鳴海社長は「これはあくまで試作品で製品版はもっとスマートな形状になる」と力説。2021年春から夏頃までに商品化を目指すそうだ。
なお、この新機構はすでに販売を終了している現行glafitバイクの有償オプションとして用意されることになるが、今後発売を予定しているGFR-01の後継モデルにもこの新機構を搭載して販売する予定でいるという。
電動バイク普及の「変革の流れ」になるか
世界では電動バイクの普及が進むが、日本では機構的な枠組みで捉えられるため、どうしても法律上の壁が立ち塞がって先へ進めないでいた。今回の特例措置は、スイッチで切り替えるという極めて日本らしい対応でこの壁を乗り越えた。つまり、法律はそのままにしつつ、運用方法で時代に合わせた解釈を加えたところにポイントがある。
今後も時代の変化とともに、新たな乗り物が出てくる可能性は高い。折しも地域を限定して電動キックスクーターを自転車道で走ることができる実証実験も進んでいる。今回のglafitバイクで認められた特例措置が、そんな時代に合わせた変革の流れを生み出すきっかけになることを期待したい。
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