自己資金45万で不動産100億買った男の衝撃技 重要なのは「融資の受け方」だった

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不動産投資で最も重要なのは、不動産そのものよりも融資だと断言したい。筆者のような専業投資家ならともかく、「一般のビジネスパーソンが1億円を超えるような不動産投資用の融資を受けられるのか」という疑問が浮かぶかもしれないが、決して無理な話ではない。

カギになるのはタイミングの見極めだ。例えば、東京オリンピックの開催決定以降、不動産相場は上昇しており、個人でも融資が受けやすかった。スルガ銀行の不正融資問題が起こってからは、銀行の姿勢が厳しくなっているとはいえ、融資をまったく受け付けていないわけではない。

ただし、融資を得るために金融機関の窓口に行っても、「不動産融資は積極的にはやっていない」で帰らされることが9割以上だ。

相続や株式投資などで多額の資産を持っているということでもない限り、正面から銀行に行っても取り合ってくれないだろう。

ここであきらめるにはまだ早い。銀行融資を得るために筆者が実践してきた秘伝の技を公開しよう。

まず金融機関には表口から入らないこと。表口とはドアノックでの新規開拓だ。それよりも不動産業者や生命保険の営業に購入を約束し、つながりのある金融機関を紹介してもらうなどが効果的だ。

保険の加入は金融機関とつながるための交際費と割り切る。運がよければ最初から銀行の支店長と会えるかもしれない。支店長と会えたらあとは折衝次第だ。最小限の自己資金で買える物件はどのようなものかをヒアリングする。金融機関により好まれる物件は少しずつ違う。

裏技は「取引金融機関を増やす」

無事に打ち合わせを終えたら財務資料の提出だ。財務資料は、単に決算書のコピーを提出するだけでなく、自己紹介、物件一覧、借入金一覧、賃貸状況など見やすいディスクロージャー資料を添える。

スルガ銀行問題以降は、会計の透明性も重要な論点となっている。税金や社会保険をきちんと支払うなど法令遵守面もアピールする。少しでも担当者の仕事を減らして稟議を進めてもらう努力をするのは、借りる側の仕事だ。そうしないと、「面倒」という理由で否決されることも少なくない。

財務資料に嘘が書けない分、資料の見栄えをよくするのは限界がある。ここで裏技として使えるのが、取引先の金融機関を増やすことだ。

筆者は18を超える金融機関から借り入れがあり、近隣の銀行のほぼすべてから借り入れがある。ここまで増やすと、「他行が出しているなら当行も」という流れが加速する。金融機関の横並び体質を利用するといい。

資料の提出を終えれば融資審査がはじまるが、ここにも技がある。自己資金を出したくなければ、既存保有物件を担保として提供して自己資金代わりにすることを提案するといい。これは筆者が少ない自己資金で物件を買い進められた理由の一つだ。

つまりフルローンで買える物件を探す、それを担保に次の物件を買う。規模が大きくなれば信用で運転資金が借りられる。この繰り返しだ。もちろん理想的な融資はいつでも出るものではないが、1~2月の銀行の決算期前などタイミングがよければ実際にできる。銀行も誰かには貸さなければ売り上げを作れないからだ。

このように、有利な融資を得るには、金融庁や銀行の内部システムを理解して「通る」稟議とは何かを知り、時に銀行の悪習までも利用する。そこから逆算して、通る財務資料や物件を持ち込む。

その精度を高めれば、少ない自己資金で投資規模を大きくすることができる。不動産だけを見ていては、不動産投資はうまくいかない。

玉川 陽介 コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ代表取締役

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たまがわ ようすけ / Tamagawa Yosuke

1978年神奈川県生まれ。学習院大学卒業。コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ株式会社代表取締役。大学在学中に統計データ処理受託の会社を設立。同社を毎年増収増益で成長させ、2006年に売却。その資金で本格的に投資を始める。その後、国内外で不動産投資と証券投資を幅広く行う。自らの投資収益を主たる収益源としながら、経済誌への記事執筆も行っている。過去に学習院さくらアカデミー講師ほか金融経済の講演を開催。『不動産投資一年目の教科書』(東洋経済新報社)をはじめ、金融商品分析や不動産投資に関する著書は計14万部を超えるロングセラーとなる。近著に『Excelでできる 不動産投資「資産管理」のすべて』(技術評論社)

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