自己資金45万で不動産100億買った男の衝撃技 重要なのは「融資の受け方」だった

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コアプラス型投資では物件選びはそれほど重要ではない。実際、筆者はレインズ、楽待、大手不動産業者など誰でもアクセスできるような仕入れ元しか使っていない。専業投資家にしては意外だと思われるだろうが、特に不自由はしていない。

ただし、次のような物件は避けている。

■避けるべき物件のポイント
・賃貸需要が少ない地域
周囲に畑が多い、築浅アパートの激戦区など
・新築物件
古くなると賃料下落と建物価格下落で利回りが悪化
・再調達価格が低い物件
自分で土地を買って新築したほうが安い
・建物比率が高い物件
建物は経年で価値下落する。土地が広いほうが有利
・オペレーショナルアセット
民泊やシェアハウスであるがゆえに高利回りの物件
・旧耐震物件
1986年以前に建てられた物件で、給排水や耐震に問題。高額な修繕が必要なことも

逆にいえば、これ以外であればどれを選んでも大きくは変わらない。低金利の借り入れで投資ができる今、文字通り「時は金なり」だ。「特選物件」が出るまで長期間待つのは期待値に見合わない。今ある物件から消去法で残ったものを選び、早くスタート地点に立つことが大事だ。

高利回り物件より「規模拡大」が大事

なぜ物件よりも先に融資なのか。それは融資さえ得られれば、自己資金45万円で100億円分の不動産を購入し、毎年、数億円の利益をコンスタントに計上することが可能だからだ。

オポチュニスティック型で不動産投資をはじめてしまうと、利益「率」は高くなるが数億円の保有で頭打ちとなり、利益「額」は小さく終わる。

投資規模を拡大すると、いくつものメリットが生まれてくる点も見逃せない。例えば、規模拡大は失敗へのバッファーにもなる。多少のロスは数十億という金額が動く中での端数として忘れることもできる。

そう考えれば、ますます積極的に買い進めることができる。このように金額の大きさを活用して、個人でも大企業のような動きができるのは不動産の醍醐味だ。

また大規模であれば、管理会社やリフォーム会社とも有利な付き合いができる。実は外部業者との関係性において、価格以上に重要なのは大口顧客として細かい注文や短納期に対応してもらえることだ。

物件管理は最適化の積み重ねといえるが、細かすぎる注文は業者が応じてくれないために最適化の限界を迎えることも少なくない。また電話やメールではなくてプロジェクト管理ソフトで進捗管理したいなど、仕事の進め方から指定できることは大口顧客の特権として効率化に貢献する。

さらに規模を増やせば、物件管理に人的資源を投下できる。筆者はITの知識を生かして、インターホン設備、防犯カメラ、ネットや放送設備などは自作して物件に導入することにより、低コスト化を実現している。

リノベーションのデザイン図面なども自分で描いているが、これも1棟だけの保有であれば研究開発費が捻出できない。大規模になれば、一度作ったひな形を横展開していくだけなので効率がいい。

このような細かな最適化を突き詰めることにより、埼玉県の郊外駅から徒歩30分のような賃貸付けが難しいとされる物件においても高い入居率を維持できている。

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