小学生「手を挙げる回数」にノルマ科される異様 「もう学校へ行きたくない」と言う11歳少女

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挙手のノルマ制に苦しむ、紗季さんの訴え(写真:週刊女性PRIME)

紗季さん本人に話を聞いた。

「間違えても挙手をすればいい。それで挙手が1回となりますが、授業に集中できないんです。そもそも、みんなの前で間違えるのは恥ずかしい。だから、できるだけ当たらないように、手をあげた人が多いときに、私もあげました。でも挙手のカウントが足りず、最後に立たされたことがありました」

母の友梨さんは「今年は新型コロナ対策があり、休校処置があったので、本来、12カ月かけて行う授業を10カ月でしなければならないので、学校側にも負担があるのでしょう。でも、それは子どもも同じく負担があるんです。教師と子どもの信頼関係がないのにノルマを科しても、いい方向にいくとは思えません」と話す。

抜け毛、不眠、過食

体育の授業にも疑念を抱いた。三密を避けるために、生徒同士がなるべく接触しないものに制限されたため、“走る”ことが授業のメインになっていた。

「もし途中で歩いたり、話をしたりしていると、(連帯責任で)みんなでもう一周、走ることになるよと、先生が言っていました。暑い日でも、先生は麦わら帽子をかぶって見ているだけ。ほかのクラスの先生は一緒に動いていたのに」(紗季さん)

ついに体育の授業で、ケガ人が出てしまう。

「いろんな走り方の授業のとき、(片足で走るようにする)ケンケンをずっとしていたんですが、倒れてケガをした子がいました。翌日、その子はギブスをつけてきました。体育館でも(床の雑巾をかけるように、手は床につけて、足を伸ばす)ハイハイという動きをしていたんですが、体育館の壁にぶつかり、首にけがをした子もいたんです」(紗季さん)

そんな友だちの姿を見たことも影響したのか、紗季さんは1学期からストレスが身体症状に現れてしまう。お風呂に入った後に、髪の毛が大量に抜け、不眠にもなり、過食にもなってしまった。

心身ともに不調をきたしている9月8日の6限目(14時25分〜15時10分)。再び体育の授業でのこと。この日は100メートル走の計測することになっていた。1本目は歩いて距離を実感し、2本目は少し早めに走り、3本目が本番だった。しかし、測量ミスで130メートルあったという。この日の最高気温は34度(気象庁)。6限目は最も暑い時間帯であり、校庭での実際の温度は高かったと思われる。

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