ある夫婦が「米大統領選」で激しく対立するワケ さまざまな波紋を呼びながら決戦の日へ

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一方、反トランプで民主党支持の有名人は、自らの名前のEメールやSNSでバイデン支持のメッセージを送り、支持を求めている。

シンガー・ソングライターのテイラー・スウィフトがSNSで「トランプを大統領から落とす」とツイート、バイデン支持者なのは有名だが、俳優ではロバート・レッドフォード、ダスティ・ホフマン、ジョージ・クルーニー、アーティストではバーブラ・ストライサンド、キャロル・キング、シェリル・クロウなどが、民主党支持の献金者に直筆のサインが入った手紙やEメールを送って支援を求めているのだ。

バーバラ・ストライサンド
キャロル・キング
ポール・サイモン
テイラー・スウィフトのツイッター

日本ではスポーツ選手や俳優、アーティストが政治的な発言をすると「歌手は歌だけ歌ってろ」、「アスリートなんだから試合に専念しろ」と言われ、スポンサーを気遣って発言を控えざるをえないのが現状だ。しかし、アメリカではアーティストやアスリートが堂々と支持者や支持政党に対する意見を主張する。

分断を深めた選挙の行く末は

「今回は下院議員の435の全席の改選と上院議員の3分の1も選挙となりますが、現在の上院議員の割合は共和党53名、民主党47名(内2名は『インデペンダント』といって正式な党員ではない)なので、拮抗している選挙地では州を越えて献金する人も多いのです。それぞれの党の議員の数でアメリカの政治方針が決まってしまうことが多いので、自分の州や地区以外の選挙戦も人ごとでは済まないのです」(現地ジャーナリスト)

どちらが勝っても、すんなりと新大統領誕生とはならないだろうとの予測が多くを占めており、選挙後の暴動などの不安も隠せない。選挙が間近に迫った現在、両者の戦いは夫婦仲も引き裂き、国を分断するほどの大きな戦いになっているのが現状だ。

はたしてどちらが声高に勝利宣言を行い、どちらが潔く敗北宣言をするのか、アメリカ国民はその瞬間まで緊迫した日々を送ることになるだろう。

草薙 厚子 ジャーナリスト・ノンフィクション作家

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くさなぎ あつこ / Atsuko Kusanagi

元法務省東京少年鑑別所法務教官。日本発達障害支援システム学会員。地方局アナウンサーを経て、通信社ブルームバーグL.P.に入社。テレビ部門でアンカー、ファイナンシャル・ニュース・デスクを務める。その後、フリーランスとして独立。現在は、社会問題、事件、ライフスタイル、介護問題、医療等の幅広いジャンルの記事を執筆。そのほか、講演活動やテレビ番組のコメンテーターとしても幅広く活躍中。著書に『少年A 矯正2500日全記録』『子どもが壊れる家』(ともに文藝春秋)、『本当は怖い不妊治療』(SB新書)などがある。

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