「トランプ亡命説」決して非現実的ではない理由

落選後の選択肢は恩赦、逮捕、そして国外逃亡

トランプは選挙集会で落選後の「亡命」について言及した(写真:Stephen Lam/Getty Images)
反トランプ派は、在任中やそれ以前に行ったかもしれない違法行為について、厳しく裁かれるべきだと考えている。

仮にトランプ大統領が11月3日の選挙で落選すると、2021年1月20日の正午には大統領ではなくなり、法的には一般人となります。普通の大統領であれば、退任して悠々自適の生活を送ることになります。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

ですが、トランプ大統領の場合はそう簡単にはいかないでしょう。反対派としては、大統領の地位を失ったトランプは、在任中あるいはその前に起こしたかもしれない違法行為について、厳しく裁かれるべきだと考えているからです。

例えば、2018~19年にかけてはムラー特別検察官(当時)による「ロシア疑惑」捜査が行われました。この時は、ヒラリー・クリントンのメールサーバへの不正アクセスや、選挙資金の流用疑惑などが捜査されて、大統領は不起訴となりました。ただ、不起訴の理由は「容疑が晴れた」からではありませんでした。

そうではなくて、「大統領の犯罪は大統領でなければ起訴に値する」という判断がされ、その上で「大統領を起訴するには、大統領特権の濫用を証明する必要がある」という前提で、「それは証明できなかった」という説明がされています。ということは、この「ロシア疑惑」については一事不再理(刑事事件について一度、判決が下ったものを再度審理にかけることはしない)の原則で逃げられても、大統領でなくなったその後は、同様の行為については、違法であり起訴されて有罪とされる可能性は十分にあるわけです。

トランプへの容疑の数々

大統領への容疑としては、そのほかにも、

▼大統領の地位を利用したホテル事業等への利益誘導
▼様々なセクハラ疑惑
▼選挙資金における公私混同
▼長年にわたる脱税
▼外国金融機関、外国政府関係者に対して多額の負債を抱えることによる利益相反
▼極右集団などへの暴力行為の煽動

などがあります。反対派としては、このどれを取っても許しがたい内容ばかりです。では、仮に退任した後のトランプ大統領の処遇はどうなるのでしょうか?

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