なぜ若者たちは「マザコン」化するのか? いまだかつてない、「母・息子」関係

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

②については、今の大学生の母親世代は40代後半~50代前半くらいの人が多く、いわゆる「美魔女」と呼ばれる人がいる世代です。男女雇用機会均等法第一世代で、「新人類」や「hanako世代」と呼ばれ、若い頃にバブルを謳歌し、消費生活がしみついており、今でも若々しくエネルギッシュな女性がたくさんいます。

かつての母親像は、40代にもなれば「割烹着」のイメージでしたが、美魔女たちはそうしたイメージをぶち壊し、息子としても一緒に歩くことが、むしろ誇らしい女性たちが多いのかもしれません。

また、もう1点理由を挙げるとすれば、「女子がマザコンを許容するようになった」ということがあるように思います。正確に言うと、やはり度がすぎた母息子関係はマザコンと感じ嫌なようで、適度な関係であれば許容する、ということのようです。

この背景には、男子の母親も恋愛を謳歌した世代であり、男女交際に理解があったり、若々しい感性を持っていることもあるでしょうし、そもそも結婚して同居といった親子関係が日本から減り、昔のような「姑と嫁」の関係に濃密さが減り、女子としても彼氏や旦那の母親が敵となりえなくなっている、といったこともあるかもしれません。私が女子にインタビューしていても、「お母さんと仲良しの男子のほうが好きです」と言う女子も増えているほどです。

いずれにせよ、これまで長らく、さまざまな企業のマーケティングの現場では、母と娘の良好な関係性に注目し、「母娘消費」というキーワードが唱えられ(「たとえば、母と娘で行く京都旅行などといった旅行ツアーの企画」)、母と娘をセットで消費させよう、といった試みがされてきました。

これからは、この「ママっ子」に注目し、「母・息子消費」を促進する企業が増えてくると思います。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事