ちなみに、アイドル市場というと、すぐ思い浮かぶのは秋元康氏が手がけたAKB商法があります。握手券や総選挙投票券と抱き合わせたCD販売の手法は、賛否はあれど市場を活性化したのは確かです。事実、全盛期の2012年にはシングルCD年間売上ランキングのトップ10の上位5曲をAKB48が独占していた時代もありました。
アイドル市場を構成するのは、主に楽曲売り上げやライブチケット代、それと物販と言われるアイドルグッズ売り上げで、上記2550億円市場はそれらの売り上げだけを計上しています。しかし、アイドルオタクの消費はそれら直接消費だけにとどまりません。
実は、彼らが最もお金をかけているのは、「交通費」と「宿泊費」などの間接消費のほうです。人気のアイドルのライブ公演は全国津々浦々で開催されますが、彼らはその公演を追っかけ、全国ツアーについて回ります。
そのための費用が、CDやチケット代より結果的にいちばん費用をかけている項目なのです。むしろ、アイドルオタクは、旅行好きな人たちより、旅費にお金をかけている人たちと言えるのです。
オタクは日本経済にも貢献している
これは、アイドルオタクに限らず、野球やサッカーの応援オタクの人たちにも共通して言えます。よって、アイドル市場規模は2550億円といっても、それはアイドルへの直接消費だけで、彼らが実際に日本経済に貢献している金額は5000~6000億円にも達すると見込まれます。
ところで、オタクの興味関心領域は、アイドル以外にも、アニメ・マンガ・ゲーム、コスプレ・鉄道・筋トレ・パソコンなどなどさまざまです。既婚者が半分を占めるオタクですが、では、没頭する分野の違い、いわゆるオタク属性の違いによって、「結婚できる・できない」の差はあるのでしょうか?
そこで、各オタクの分野ごとに、有配偶率を算出してみました。まず、男オタクから見ると、全体の有配偶率と変わらないのは「車・バイク」「コスプレ」オタクの人達です。前者は納得できますが、「コスプレ」オタクの有配偶率が高いのは意外でした。
しかし、そもそもコスプレイヤーとは自らをモデル・被写体として衆目を集める趣味であって、そういう意味では自分自身に自信を持っている男性と考えられるのかもしれません。
反対に、男性オタクで有配偶率が低いのは、1位「同人誌」29%、2位「アイドル」34%、3位「アニメ」「マンガ」の40%でした。とはいえ、ほとんどのオタク分野で有配偶率は50%以上です。案外、男性オタクは結婚しています。
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