現金主義の人が実は「損する」納得のカラクリ

ポイントを現金化すると目減りするのはなぜか

社会というものは、人間がただ生きているだけで消費する分より多くの価値を産み出さないと成立しません。生まれたばかりの赤ちゃんや、もう十分価値を生み出してきたお年寄り、その他さまざまな理由で自分が生きていくだけの価値を生み出せない人の分まで、社会全体で価値を生み出さないと成立しないからです。

消費する分以上の価値を産み出すためには、基本的には何らかのアクションを起こす必要があります。寝ていても資産を生み出すものを誰かから受け継ぎ、まったく減らさずに生活できる、というケースは日本では非常にまれです。

アクションを起こしてリターン、つまり価値を得るための方法には、大きく分けると2種類あります。「労働」と「投資」です。

「労働」は自らの肉体を使って直接的に価値を生産するものです。何かを生産してそれを売る、どこかの企業で働いて価値を産み出す、などがあります。

いっぽう「投資」は、株式・証券や不動産などのほかに、事業への投資、人物への投資などがあります。

すなわち、自ら直接価値を産み出さず、ほかの何かにバウンドさせてから価値を産み出すことが「投資」なのです。

「現金」に換えると損をするのはなぜか?

労働にせよ投資にせよ、アクションに対するリターンは、必ずしも現金と直接交換する必要はありません。むしろ、現金に直接替えると損をすることが多いのです。

例えばTポイントカードってありますね。あのTポイントは、基本的に1ポイントあたり1円相当として使えます。ところがTポイントは、実は現金に替えることもできるのです。ジャパンネット銀行(今度、PayPay銀行に名前が変わるそうですが)の口座を持っていれば、いくつか条件はあるものの、100ポイントあたり85円のレートで現金化して、口座から引き出すことができます。

重要なのはこの部分です。Tポイントよりも現金のほうが使いやすいですよね。日本でいちばん使いやすいのは日本円です。何でも買えます。でも、Tポイントを直接現金化すると、相対的に価値が下がってしまうのです。

航空会社のマイレージサービスもそうです。マイルも現金化することができて、例えば10000マイルを現金にすると9000円ぐらいになります。しかし、マイルを航空券に変換するとだいたい2万円相当の航空券に換えられます。本来の価値は1マイルあたり2円、というところですね。これを海外旅行のビジネスクラスやファーストクラスを購入するのに使用すれば、1マイルあたりの価値は10円を超えることもあります。1マイル2円相当ですから、現金に替えると半分以下の価値しかなくなってしまうけど、特定のサービスに換えると5倍以上の価値にもなりうるわけです。

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