47都道府県「記者クラブ」は外に開かれているか 悉皆調査で判明、彼らの考える自らの閉鎖性

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業界団体である日本新聞協会の「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」(2002年、06年に改訂)は、以下のように定めている。

記者クラブが「取材・報道のための自主的な組織」である以上、それを構成する者はまず、報道という公共的な目的を共有していなければなりません。記者クラブの運営に、一定の責任を負うことも求められます。

「見解」の解説では、さらにこう明記している。まずは、「見解」を定めた目的と意義、ついで記者クラブ運営に関する箇所について、それぞれ引用する。

インターネットを利用したメディアはますます普及し、メディア環境は変化を続けている。こうした状況を踏まえ、記者クラブ問題検討小委員会は2002年見解に示された記者クラブの意義、役割をあらためて確認するとともに、2006年に本見解を補足した。それは、新たなメディアからの記者クラブへの加盟申請や記者会見への出席要請に対して、報道という公共的な目的を共有し、報道倫理を堅持する報道機関、記者クラブの意義・役割を理解・尊重し、運営に責任を負う報道機関には、クラブは「開かれた存在」であり続けることを確認するためである。
記者クラブは「自主的な組織」である以上、当局との折衝・調整、会員間の連絡、総会などクラブ運営全般にかかわる幹事業務をはじめ、クラブ構成員としてクラブの運営に一定の責任を負うことが求められる。

運営には誰がどんな責任を?

では、各地の記者クラブの運営には誰がどんな責任を負っているのか。規約も開示しない姿勢をどう評価したらいいのか。会見参加の是非についての判断を下すに際して行政側と協議するという態度は、「見解」の示す「自主的な組織」に真っ向から反しているのではないか。

そんな視点を持って、記者クラブの回答一覧表を見てほしい。

(外部配信先では一覧表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

取材=調査報道グループ「フロントラインプレス(Frontline Press)」

Frontline Press

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「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年5月に合同会社を設立して正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や研究者ら約40人が参加。スマートニュース社の子会社「スローニュース」による調査報道支援プログラムの第1号に選定(2019年)、東洋経済「オンラインアワード2020」の「ソーシャルインパクト賞」を受賞(2020年)。公式HP https://frontlinepress.jp

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