47都道府県「記者クラブ」は外に開かれているか 悉皆調査で判明、彼らの考える自らの閉鎖性
今回の主な質問は以下のとおりだ。
2 参加できる場合は最近の実例を教えてほしい
3 記者クラブの閉鎖性についての考えを示してほしい
4 記者クラブの規約を開示してほしい
このうち、1と2の質問は、都道府県側に回答を求めた前回調査とほぼ同じである。それでも微妙に回答が違っている。例えば、前回調査では、広報部門が「毎月の知事定例記者会見は参加不可」と回答していた栃木県については、今回、県政の記者クラブが参加可能と回答してきた。総じて言えば、どの記者クラブも申し出があれば対応するという回答である。
ただし、対応の中身となると、多くは「幹事社間で協議した上で認める」(秋田県)、「幹事社の了承が必要」(佐賀県)などの姿勢を示しており、参加させるかどうかは記者クラブ側が決めるという一線を引いている。山口県政記者クラブのように「幹事社と県広報広聴課で協議し承認を得た場合に参加可能」といった、行政側を巻き込んで強固な“壁”を築いている記者クラブもある。
行政側と記者クラブ側の双方の回答から判断すれば、都道府県で行われる会見に対する“閉鎖度”の強さは、三重県と大分県が双璧だ。逆に最も開放度が高いのは、記者クラブの存在しない長野県だ。
「ない」「示せない」「差し控える」
各都道府県の記者クラブは、閉鎖性をどう考えているのか。今回の一斉調査では、その点も重視した。すると、クラブとしての見解は「ない」「示せない」「差し控える」といった回答が続出したのである。北海道、岩手県、秋田県、東京都、岐阜県、京都府……。態度をきちんと示さない都道府県がずらりと並ぶ。
中には「当記者クラブについてどのような閉鎖性が指摘されているか認知していない」(山形県)、「閉鎖性について具体的な質問ではないので回答を控える」(茨城県)、「記者クラブは取材組織であり、見解を発表する機関ではない」(福井県)、「閉鎖的との指摘は当たらない」(兵庫県)といった、見方によっては開き直ったかのような回答もあった。
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