うつが「すぐ治る人」「重症化する人」の決定的差 15人に1人がかかる「心の骨折」との付き合い方

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うつ予備軍の状態から、健康の状態に戻す方法もまた、「睡眠・運動・朝散歩」です。「飲酒・喫煙」も重要なメンタルの悪化因子。そして、「休養」「ストレス解消」も必須です。「休養」とは、頭の中を空っぽにすることです。

家に帰っても、「会社での失敗」「会社での人間関係」「不安なこと」を考えていては、休養にもリラックスにもなりません。「睡眠」「運動」「朝散歩」「禁煙・節酒」「休養」「ストレス解消」を、普段からの習慣にしてください。

「うつ予備軍」の3つの兆候

明らかにうつ病になる前に、うつ予備軍の状態で発見したい。私の経験から導かれた、予備軍の兆候を3つお伝えします。

①ミスが増える

「ミスが増える」というのは、非常に多いです。会議の予定をすっぽかす。書類の提出を忘れていた。電車の棚にカバンや荷物を置き忘れる、というのも多いです。

ミスが増えるというのは、うつの兆候というよりは、脳が疲れている「脳疲労」の兆候です。ここで、きちんと睡眠、休息をとって脳の疲れを回復すれば、うつ病への進行を食い止められます。

②朝、起きるのがつらい

朝、起きるのがつらい。午前中の調子、気分が悪い。これらの兆候は、セロトニンが低下している兆候です。これが何カ月も続くと、うつ病に進行する可能性もあります。また、「ぐっすり眠れない」「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」という睡眠障害も、うつ病の前兆の可能性があります。

③全身倦怠感などの身体症状

身体が重だるい。全身倦怠感。睡眠で疲れがとれない。慢性的に疲労がたまった感じがするのも同様です。それらが局所的に現れると、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりという訴えも多い。

うつ病患者の6割は、最初に精神科ではなく内科などの身体科を受診します。そこで一通り検査をして異常がない場合は、メンタルが疑われます。

うつ病というのは「精神症状」への影響がメインと思われるかもしれませんが、「精神症状」と「身体症状」が半々で、後者が初発症状として出る場合が多いのです。

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