オンライン初開催「CEATEC」、米CES超えの勝算 アマゾンウェブサービスなどIT企業が続々参加

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もともと家電見本市をスタートとしているだけに、毎年、電機大手の出展状況が取りざたされるのがシーテックの宿命でもある。

業界団体が主催者であることから、2000年の第1回以来、電機大手各社が出展することは不文律とも言われていたが、2013年に日立製作所が出展を見送る(子会社の日立金属は出展)と、2014年にはソニーが、2015年には東芝が出展を見送る事態となった。

電機大手の業績悪化や、シーテックの家電見本市としての存在感が薄れ始めたことなどがその背景にあったが、脱・家電見本市を打ち出した2016年には、日立製作所が出展を再開。2019年にはソニーも再び出展し、今年は東芝が復帰する。

2019年のシーテック20年目を節目に、初めて出展を見送ったパナソニックは今年も出展しない。

ただ子会社のパナソニックソリューションテクノロジーが今年初めて出展することから、シーテックの会場に電機大手8社(日立製作所、東芝、三菱電機、パナソニック、ソニー、シャープ、NEC、富士通)の「ブランド」がすべて出そろう。これは7年ぶりの出来事だ。

アマゾンウェブサービスが初出展

今回のシーテックは、新規出展者の数が多いのも特徴だ。実施協議会によると、昨年は39%だった新規出展者の比率は、今年は45%に拡大しているという。

「オンライン開催だからこそ、新規に出展するというケースが、ソフトウェアやソリューション企業を中心にみられる」と、実施協議会の鹿野氏は言う。

実際、出展者一覧をみると、初出展となったアマゾンウェブサービス(AWS)ジャパンをはじめとして、IT関連企業が名を連ねている。

「ハードウェア製品の企業などでは、オンラインイベントでは内容を訴求しにくいと感じるのに対して、ソリューションを持つIT企業などは、リアルの展示会よりも、オンラインの展示会のほうが訴求しやすいのかもしれない」(関係者)ということも背景にあるようだ。

カンファレンスでは、テレワークの進展とともに注目を集めているZoom Video Communicationsのエリック・ヤンCEOと、Treasure Dataの共同創業者である芳川裕誠カントリーゼネラルマネージャーによる対談などが予定されている。

Zoomの日本法人であるZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー、フレキシブルオフィスを展開するWeWork Japanの髙橋正巳CSO、ウェブ会議システムや完全個室作業空間テレキューブを開発するブイキューブの間下直晃社長兼CEOによるパネルディスカッションもある。

コロナ禍での新たな働き方で注目を集める企業がそろう点も注目される。

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