ただし、火花散るシーンはほどほど、「結婚したい」気持ちが前のめりの候補者はあまり見られません。のぞき見感覚で人様のごたごたを見たい『バチェラー』好きには若干物足りなさを感じそうですが、「相手を出し抜き、一人勝ちしたい」「認められたい」といった人の欲を露わにするリアリティーショーらしさは健在です。
その辺りは本国アメリカで2003年の放映以降、毎シーズン新作を重ねるほど人気のあるフォーマットであることがこの番組の強みでもあるのです。
本場アメリカ版の最新シーズン、主役は…
10月13日にはオリジナルアメリカ版の『バチェロレッテ』最新シーズンの放送が米4大ネットワークのABCで始まったところです。16シーズン目となる今回、主役の女性は39才ヘアスタイリストのクレア・クロウリーさん。これまでアラサー女性が起用されることがほとんどで、平均年齢は27才、30代の女性は2シーズンのみ。シリーズ史上最年長となる異例の抜擢が意味するそれは、本場の『バチェロレッテ』がいま、節目を迎えていることと捉えてよさそうです。
出演を決断したクレアさんを支持する声も多く、「30代、40代の独身女性をもっと登場させるべき時が来たのではないか」というツイートも投稿されています。崖っぷち扱いだった30代、40代が主役になることで、同年代の女性からこれまで以上に熱い支持を得られる効果もありそうです。
アラフォー女性を起用したのはアメリカでも進む晩婚化が理由の1つにあると言われ、さらに若年層向けの新たな恋愛リアリティーショー番組が多発していることも影響していそうです。ライバル番組に負けず劣らず老舗番組としての意地を見せたシフトチェンジといったところでしょうか。
また今シーズンはコロナ禍のなか、3月に開始した撮影が一時中止となり、夏に撮影を再開するも感染拡大防止策を重視して、ダイナミックな旅のシーンを大幅カット。カリフォルニア州パームスプリングス1つのリゾート地でのみでの撮影となり、本来予定していたスタート時期も遅れ、異例尽くめです。それでも軽快な気晴らしを提供する番組に期待が集まっています。
なお日本版『バチェロレッテ』は2020年3月にクランクアップされたものが配信中です(年齢も2020年3月当時)。売りである国内外の撮影シーンはそのままに、日本仕様にローカライズされた番組には本場で長年培われたノウハウも反映されています。そんな自信のほどものぞかせる番組でもあるのです。
日本版も定着するのかどうかは最後まで見届けないと何とも言えませんが、バチェラーブームの人気に乗って注目度は大。3代目バチェラーの友永真也さんが見せたような番狂わせの展開でさらに盛り上がることも望みます。
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