ゼンショーが抱く、あまりにも壮大な夢 ゼンショー・小川社長が語る経営哲学(1)

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――ただ、経営のスタイル、生き様というのはどうしてきたかというのは、結実したもので、知りたいものではないのでしょうか。

そうであるがゆえに、1人の人間の創業から始まってね、ポピュラーな例で言えば、松下幸之助さん、ナショナルを作りましたと。これは松下幸之助さんの哲学であり、世界観であり、彼の生き様ですよね。それを株式会社という形にしたのが、昔のナショナル、あるいはナショナル電器というんですか。それを松下さんの生き方とか、そういうものを学んでも、役に立たないと、要はナショナルを見ればいいじゃないかと。

そこで変に学んじゃうと、日本人はまじめだから、二番煎じの松下幸之助、うまくいってね。大抵うまくいかないけど。たとえばその人が会社作ったらどうなるのかと、つまんない会社だよ、たぶんね。

コアの部分は10歳前後にできる

――小川さんはそういう思いというのは、ずっと創業の頃からお持ちなんですか。

基本的な哲学というのは変わらないと思うんですよね。人間20歳になると、精神的な世界観のコアな部分というのはできている。経験的に思っているんですね。逆に言うと、やはり10歳前後の教育は非常に大事だと思うんですよね。

20歳と言ったけども、実際にはコアとなる、そのまたコアになるものは10歳前後、小学校5年。だから教育がどうのこうのという議論も日本でもいろいろやられているけど、実は一番大切なのは、小学校5年生の教育だと僕は思ってるんですね。

――小学校5年、ちょっと早熟ですね。

早熟というか、自分のことを考えてみればわかるじゃないですか。5年生といったらいっぱしなんですよ。1年生はガキなんですよ、幼稚園からの延長線上みたいで、甘ったれだけど。5年生といったらいっぱしですよ、ね。たとえば学者が言うには、語学回路もこの辺で形成されるわけですよ。

ですから、うちにもいますけど、小学生の低学年の頃、7~8歳の頃、アメリカに行って育ちましたといっても、英語がしゃべれるかといってもしゃべれない。「お前、3年間いたことあるんじゃないか」と言っても、10歳前で回路が残っていないから、ゼロからのリスタートになる。

だけど、5年生から3年間いれば、それはできている。逆に下手すると、日本語の回路ができない。うちの社員にも前いたんだけど、ダブルランゲージで、うまくコミュニケーションできないんだよね。まあ、脇道に入ってしまいましたけど。

――ユニークさという点ですけど、ゼンショーは売り上げでマックを抜き、牛丼だけでいうと、去年末に国内で吉野家を抜いた。これについては、よくぞここまでという感じでしょうか。

全然ないですよ。そういうとウソだろうと思うかもしれないけど(笑)。僕は店数で吉野家を抜いたり、売り上げで日本マクドナルドを抜くためにやってきたわけではないから。全然関係ないわけですよ。隣の小学校に算数できる子がいるぞと言われても、そうなのと。でしょ。自分が算数なり国語をやっているわけであって、クラスの子ぐらいは気になるかもしれないけど。

感覚としていうとそういう感じ。原田なにがしさんが何をやっているといっても、隣の小学校というよりも、青森の弘前の小学校に算数できるやつがいるぞって、そうなの弘前にそんな子がいるのみたいな。でも、俺に関係ないだろバカヤローってさ(笑)。

――自分の考え方、ユニークさの自己展開でこうなったというわけですか。

ユニークさを求めているわけではないですよ。認識としては、そういう認識だというということですね。だから、やはり思うままにやっていくべきだし、やりたいし、他人がどう思うとか、弘前小学校に誰がいるとか関係ないわけですよ。感覚としての今の話。

でもそうじゃないですか。聞きたいんだけど、ほかのメディアに優秀なライターがいるとか、気にするんですか。書いたもの読むんですか。

――時々読みますよ(笑)。

でもそんなもんでしょ。あいつが書いたからどう思うとか、じゃあ俺はこう書こうとか、思わないでしょ。

――まず総括的になぜここまでゼンショーがのし上がったか、その理由はつまりなんでしょうか。

志だと思いますよ。つまんないでしょ。なんか色々聞いてよ。

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