定期券、1駅延ばして「通勤時間を短縮する」裏技 急行停車駅まで戻ったほうが早く着くことも

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東武東上線・下赤塚→池袋

まずは冒頭で触れた、筆者が学生時代に友人から聞いた区間だ。

東武東上線の下赤塚駅。隣は急行・快速などが停まる成増駅だ(写真:sunny/PIXTA)

下赤塚は池袋から数えて8つ目、成増は9つ目の駅だ。なぜ成増まで戻ったほうが早くなるケースがあるかといえば、東上線の準急・急行・快速は成増の次が終点・池袋だからだ。つまり下赤塚は成増―池袋間の各駅停車しか停まらない駅の中で、池袋までもっとも遠いのである。

実例を挙げてみよう。下赤塚8時16分発の各駅停車に乗ると池袋には8時40分着で24分かかるが、成増だと8時23分の準急に乗れば池袋に8時35分に着き、所要時間は12分だ。

そこで、下赤塚8時19分発の各駅停車で成増に戻れば(20分着)、23分の準急に乗れる。3分遅く出て5分早く着くので8分の短縮になる。

下赤塚―池袋間の通勤定期券は1カ月8160円だが、成増まで延長しても9250円で、差額は1090円。平日月平均21日出勤とするならば(以後、1日あたり追加額は同様の基準で計算)1日あたり52円の追加で10分近く時間短縮できるというわけだ。成増まで定期券範囲に入っていれば何かと便利でもある。

追加なしで定期の区間が延ばせる

西武池袋線・練馬高野台→池袋

池袋から8つ目の駅が練馬高野台だ。ここから池袋へ行く場合は、各駅停車を乗り通すか地下鉄直通の各駅停車に乗り、練馬で通勤準急または準急に乗り継ぐという方法がある。朝の通勤準急と準急は各駅停車の追い越しをしないため、どちらの方法でも池袋に先着する。

ところが朝ラッシュピーク前後の時間帯は、1つ手前の石神井公園から急行に乗るのが一番速いルートになることがある。

例えば練馬高野台7時05分発の新木場行きに乗り、練馬で各駅停車池袋行きに乗り継ぐと、池袋には7時25分に着く。練馬高野台7時09分発、13分発はどちらも練馬で同じ通勤準急に乗り換えて池袋に7時27分に着く。

だが、逆方向の7時08分発小手指行きで石神井公園に戻り、同駅を7時12分に出る急行に乗ると、池袋には7時22分着。上記のどの方法よりも早く池袋に着く。

練馬高野台―池袋間の通勤定期券は1カ月7910円だが、実は石神井公園―池袋間も同額。差額追加なしで5分の時間短縮ができるおいしい区間だ。同額なら定期券を延長しても経理担当者は何も言わないだろう。

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