定期券、1駅延ばして「通勤時間を短縮する」裏技 急行停車駅まで戻ったほうが早く着くことも

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JR京葉線・千葉みなと→東京

JR線は1駅間が長いことが多く、戻る時間が長くかかって時間短縮効果を打ち消してしまうことが多い。

そんな中でも、京葉線なら時間短縮効果がありそうだ。千葉みなとから各駅停車で東京まで行くとおおむね50分かかる。しかも朝のラッシュ時は快速がなく、通勤快速は蘇我から新木場までノンストップのため途中駅で乗り継げない。沿線に実家がある筆者としては通勤快速を海浜幕張にも停めて、千葉市美浜区の利用者も使えるようにしてもらいたいものだが、千葉みなと駅のユーザーは蘇我まで戻って通勤快速に乗ったほうが速いケースがある。

例えば千葉みなと6時59分発の東京行きは、東京に7時50分に着く。1本後の7時06発だと7時56分着だ。一方、7時00分発の蘇我行きで蘇我まで戻り、同駅7時08分発の通勤快速に乗ると東京には7時47分着。1分遅く出て3分早く着くが、これは6時59分発に乗り遅れたときの遅刻防止保険としての利用が現実的なところだろう。

帰りのほうが効果がある

むしろ効果があるのは帰りだ。東京19時18分発の通勤快速君津行きで蘇我まで行き、蘇我19時55発の各駅停車東京行きで千葉みなとへ戻ると19時59分着。東京19時08分発・千葉みなと19時54分着の快速に乗るよりも到着は5分遅いが、出るのも10分遅くできる。

千葉みなと―東京間の通勤定期券は1カ月1万9360円、蘇我―東京間の定期券は2万2110円。差額は2750円で1日あたり131円、片道あたり65円だ。

いかがだったであろうか。いつもは金銭面での節約術ばかり書いている筆者には歓迎のコメントが寄せられる一方、「鉄道好きなら料金を払って鉄道会社を助けなさいよ!」といった声もある。そこで今回は、お金を少し追加して時間の節約になる手段を考えてみた。共感いただける方はぜひ、定期券の区間延長で減収にあえぐ鉄道会社を応援しつつ、便利に通勤しようではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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