堀江貴文「親に従い成功した人を僕は知らない」 若者は失敗を恐れずに若さと大胆さを利用せよ

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例えば、就職する会社が大企業であったとしても、安心でいられるか? 数年したら不況で沈没する船かもしれない。しかも、その船には乗員全員の救命ボートが積まれていない危険だってある。図体が大きいだけのタイタニック号は、乗り心地はいいかもしれないが、航海の途中で悲惨な末路を迎える可能性もありえるのだ。

学生に不利益だらけなのに、新卒一括採用の習慣はなかなかなくならない。日本人は昔から初ガツオをありがたがったように、新築の家や新車とか、まっさらなおろしたてのものが好きだ。潔癖症に近い、新物をありがたがる文化だ。それが人材募集にも影響している。

しかし、無色透明な人間とは、言い換えると何の個性もスキルもない人間ということだ。「君は素直に言うことを聞くから期待できる」と評価されても、僕ならまったくありがたいとは思わない。「無色透明で、素直に言うことを聞く」人材を必要としているような会社に、未来はあるだろうか?

就活に臨み就職を勝ち取った人は、「何のスキルもない、ただ言うことだけを聞く素直な若者」と軽く見られている証拠だ。そして将来性の低い会社に雇われてしまった不運に気づくのは、何年も職場で酷使され、たくさんのトラウマを植え付けられてからになるだろう。

学生に告げたい。いますぐ就活ルールから飛び出せ! 

新卒一括採用で一生安泰という保証は何もない

「新卒一括採用での就職は、将来安定した暮らしを得るのに確実」だというエビデンスはまったくない。就活は、「新しモノ好き」な大人たちの好みと都合に振り回されているだけだ。大切な学生のうちに、そんなものに神経をすり減らすのはバカげている。

毎年10月になると、学生たちが一斉に衣替えするようにリクルートスーツで、就活に臨む景色は普通ではないのだ。

いまこそ有名校から有名企業への「レール型」から、自分の価値観で生き方を決める「航海型」へと人生の舵を切る時だ。

みんなが知っている「桃太郎」の話をしよう。子どものときに親から聞かされて、よく覚えているのは主人公の桃太郎だと思う。だが、本当に注目すべきは、おばあさんだ。

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