日本人の「移民嫌い」は菅政権下でマシになるか 観光客も永住者も移民も「外国人」とひとくくり

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政府のみならず、日本人の外国人に対する認識も大きく進歩していない。日本では「外国人」は、観光客であれ、長期在留者であれ、永住者であれ、すべて外国人とひとくくりにされがちだ。そして、移民という言葉が使われることはほとんどない。

日本人のこうした外国人に対する認識は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック対応で如実に現れている。日本政府はすでに何年も、場合によっては何十年も日本に居住している永住者を含め、すべての外国人に対して国境を閉ざした。これによって日本に家族を持つ人や、働いている人の人生が大きく狂うにもかかわらず、だ。

「外国人を日本人より下に置く」制度

日本にかかわる外国人の命運は、1978年の最高裁判所のマクリーン事件の判決で示されたように、結局のところ、当局の自由裁量に依存する。

外国人が抗議する権利を持っているかどうかを決定する際に、最高裁は本質的に、憲法によって保証された基本的権利は外国人に対する国家の裁量権を制限することはできないと判決している。 これでは、結局のところ、人権は日本人にのみ適用されるということになる。

このように外国人を日本人より下に置くことを当然とする状況が、外国人労働者、特に技能実習生に対する日本の中小企業経営者や、企業の採用担当者による横暴を許している。

NPO移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)代表理事の鳥井一平氏は、長年に渡って、日本企業に搾取されている外国人労働者の支援を行っている。最近扱ったのは、ドライクリーニング店で働くベトナム人男性のケースだ。

この男性は仕事中に手にひどい火傷を負ったのだが、「彼の雇用主は当初、火傷はバーベキューによるもの主張した。ベトナム人男性が救急車すら呼ぶことをできなかったのに」と、鳥井氏は男性の焦げた手の耐えられない写真を見せながら憤る。

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