20歳になる子供に絶対伝えたい「年金」の超基本 親の世代も「今さら聞けないこと」を見直そう

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学生納付特例については、2014年4月以降、過去2年分までさかのぼって申請することもできるようになりました。そうなると、

「だったら、すぐ申請しなくても、後でまとめて申請しよう」

と思うかもしれません。しかし、年度単位の学生納付特例の場合は、学年が上がるたびに早めに申請を行う必要があります。前述のように年金には高齢期の老齢年金だけではなく、障害年金や遺族年金もあります。

障害年金の受給のためには、一定の例外を除き、「初診日の前日時点」における保険料の納付要件を満たしている必要があり、学生納付特例を申請せず、保険料も納めずにいたため未納期間が多い場合は年金が受けられなくなる恐れがあります(遺族年金の場合は「初診日」を「死亡日」に置き換えて考えます)。

「初診日の前日」までに学生納付特例を申請すれば受給の納付要件を満たすための保険料免除期間に算入されますが、初診日の当日に過去2年分の申請を行っても、その学生期間は保険料免除期間には算入されないことになります。つまり、初診日当日以降の申請では未納期間と同様の扱いとなってしまいます。

「ねんきん定期便」の活用法も伝えておく

20歳で国民年金の被保険者となり、自分で年金についての手続きをするようになると、

「あの日に払ったはずの保険料はちゃんと払ったことになっているかな?」
「学生納付特例の申請は認められて保険料は本当に猶予されているかな?」

などと気になることでしょう。

年金制度の被保険者になると、毎年誕生月に「ねんきん定期便」が届きます。インターネットで「ねんきんネット」を利用することもできます。親の世代が20歳の頃にはどちらもありませんでした。今の時代に20歳になる人たちは、これらを活用して年金記録の確認ができるので、記録に間違いがないかどうか確認する癖をつけておくことも大事でしょう。

以上、「年金」について20歳になるわが子に伝えるべきことはいくつもありますが、ぜひ親子で対話する機会を設けてください。それをきっかけにして、子どもは自分の将来の備えを始めることになるでしょう。

井内 義典 ファイナンシャル・プランナー

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いのうち よしのり / Yoshinori Inouchi

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。FP、特定社会保険労務士。公的年金が専門で、これまで3000件を超える年金相談業務を経験し、地方自治体職員、年金事務担当者、ファイナンシャル・プランナー向けの年金研修・セミナーで講師も務めている。また、年金、社会保険に関して、専門誌、インターネット等での執筆や、書籍の監修も行ってきており、執筆数については合計で約200本に上る。「FP相談ねっと」認定FP、神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合組合員、日本年金学会会員として活動中。

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